簡易裁判所の仮処分申請却下決定に対する抗告につき地方裁判所がした抗告棄却の決定に対しては、再抗告は許されない。
仮処分に関し地方裁判所が第二審としてなした決定に対する再抗告の許否
民訴法393条3項,民訴法413条,民訴法414条,民訴法419条ノ2
判旨
簡易裁判所の決定に対する抗告棄却決定については、民事訴訟法(現行330条、336条)上、通常再抗告は許されず、憲法違反を理由とする特別抗告のみが認められる。
問題の所在(論点)
簡易裁判所の決定に対する地方裁判所の抗告棄却決定に対し、最高裁判所へ直接不服を申し立てる(再抗告または特別抗告を行う)ための要件、および実質的な事実誤認等を理由とする申立ての適法性。
規範
最高裁判所が抗告について裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られる。地方裁判所が簡易裁判所の決定に対してした抗告棄却決定については、民事訴訟法の規定により再抗告が許されないため、憲法解釈の誤りその他憲法違背を理由とする特別抗告(現行336条1項)のみが適法な不服申立てとなる。
重要事実
抗告人は簡易裁判所に対して仮処分を申請したが却下され、これに対する抗告も地方裁判所によって棄却された。抗告人は、当該地方裁判所の抗告棄却決定に対し、憲法違反を理由に含めた抗告を最高裁判所に申し立てた。
事件番号: 昭和24(ク)75 / 裁判年月日: 昭和26年2月6日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、民事訴訟法上の特別抗告(憲法違反等を理由とするもの)に限られ、それ以外の理由による抗告は不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。抗告人が主張した抗告理由は、原決定において法律・命令・規則又は処分が憲法に適合するか否かにつ…
あてはめ
本件抗告理由は、形式的には憲法違反を主張する部分を含むものの、その実質は原決定の事実誤認および単なる法令違背を主張するものである。これは特別抗告の適法な理由である「憲法の違背」には該当せず、実質において民事訴訟法(旧419条ノ2)が定める特別抗告の要件を満たさない。
結論
本件抗告は不適法であり、却下される。
実務上の射程
簡易裁判所から地方裁判所へ抗告した後の「三の矢」として最高裁へ申し立てる際は、単なる法令違背や事実誤認ではなく、憲法問題に昇華させた主張が必要であることを示す。不服申立構造の限界を論じる際の論拠となる。
事件番号: 昭和25(ク)40 / 裁判年月日: 昭和26年6月29日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所への抗告が許されるのは、憲法違反を理由とする場合に限られる。単なる法令解釈の不当を憲法違反と主張することは、適法な抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、相手方の占有を解いて執行吏に保管させ、現状変更を禁止する仮処分決定を得ていた。その後、相手方が現状を変更したことを理由に…
事件番号: 昭和24(ク)30 / 裁判年月日: 昭和24年6月28日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、訴訟法上特に最高裁判所に申し立てることが許された場合を除き、申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が、特定の訴訟法上の規定の根拠がないままに、最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案である。 第2 問題の所在(論点):訴訟法上に特別の規定がない場合に、最高裁判…
事件番号: 昭和26(ク)115 / 裁判年月日: 昭和26年7月12日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法が特に最高裁判所への抗告を許容した、原決定に憲法違反の判断が含まれる場合に限られる。したがって、旧民訴法419条の2(現行民訴法336条)に規定される要件を満たさない抗告は、不適法として却下される。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告…
事件番号: 昭和26(ク)75 / 裁判年月日: 昭和26年6月26日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が抗告に関して裁判権を有するのは、訴訟法上特に許容された場合に限られ、民事事件においては憲法違反を理由とする特別抗告のみが認められる。 第1 事案の概要:抗告人は、何らかの民事事件の決定に対し、最高裁判所へ抗告を申し立てた。しかし、その抗告理由は、原決定に憲法違反があることを主張するもの…