省略
民訴法四二〇条二項の規定と憲法三二条、九八条
民訴法420条2項,憲法32条,憲法98条
判旨
再審制度は、確定判決による解決の尊重と具体的正義の要求との調和を図るための例外的な制度であり、その事由の定め方は立法政策の問題である。
問題の所在(論点)
民事訴訟法が定める再審事由の限定(現行338条1項)および制限的要件(現行338条2項)が、具体的正義の観点から許容されるか、またその決定権限の所在が問題となった。
規範
確定判決は紛争の解決を尊重し蒸し返しを認めないのが原則であるが、具体的正義の要求に基づき、特定の事由がある場合に限り例外として再審を認める。どのような事由を再審事由とするか、また再審制度の濫用防止のためにいかなる要件(民訴法338条2項等)を課すかは、諸般の事情を考慮して決定される立法政策上の問題である。
重要事実
上告人は、民事訴訟法420条1項各号(現行338条1項各号)に規定された再審事由の限定や、同条2項(現行338条2項)が課す一定の事由についての制限が、具体的正義に反し違憲である旨を主張して上告した。判決文からは具体的な事件の背景事実は不明であるが、再審事由の存否及びその憲法適合性が争点となった事案である。
事件番号: 昭和32(ヤ)7 / 裁判年月日: 昭和32年12月20日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】再審の訴えにおいて、主張される事実が民事訴訟法(旧法)420条1項所定の再審事由のいずれにも該当しない場合には、当該再審の訴えは不適法として却下される。 第1 事案の概要:再審原告は、最高裁判所の確定判決に対し、別紙記載(本判決文上は省略)の事由を根拠として再審の訴えを提起した。再審原告が主張した…
あてはめ
確定判決の効力を否定する再審制度は、法的安定性の維持と真実発見・具体的正義の要請をいかに調整するかという高度な政策判断を伴う。民訴法が再審事由を限定的に列挙し、一部の事由に「不服を申し立てることができなかったこと」等の要件を付しているのは、制度の濫用を防止し法的安定性を確保するための合理的な区別と解される。したがって、これらの事由をどのように定めるかは立法府の裁量に属する。
結論
再審事由の定め方は立法政策の問題であり、現行法の規定は正当である。したがって、本件上告は棄却される。
実務上の射程
再審事由の法定性は立法政策の問題であることを示した重要判決。答案上は、明文のない再審事由を認めるべきとの主張(信義則による再審等)を否定する際の根拠や、再審事由の解釈において法的安定性を重視する姿勢を示す際に活用できる。
事件番号: 昭和56(オ)858 / 裁判年月日: 昭和56年11月26日 / 結論: 棄却
刑事上罰すべき他人の行為により攻撃又は防禦の方法を提出することを妨げられたことを理由に再審を申し立てる当事者は、右犯行に及んだ者が有罪の判決を受けその判決が確定したことを証明するか、又は有罪の確定判決を受ける可能性があるのに、被疑者が死亡したり、公訴権が時効消滅したり、若しくは起訴猶予処分を受けたりしたために有罪の確定…
事件番号: 昭和26(オ)65 / 裁判年月日: 昭和28年6月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件において、上告理由が特例法所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:上告人が提起した本件上告において、その論旨が上記特例法1条1号ないし3号のいずれの事由にも該当しないものであった事案である。 第2 問題の所在…
事件番号: 昭和27(オ)1125 / 裁判年月日: 昭和29年2月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が「民事上告事件の審判の特例に関する法律」所定の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合、上告は棄却される。 第1 事案の概要:上告人が最高裁判所に対し上告を提起したが、その上告理由(論旨)が、当時の「民事上告事件の審判の特例に関する法律」1条1号から3号までのいずれ…
事件番号: 昭和26(オ)840 / 裁判年月日: 昭和29年3月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不動産登記の記載が取得原因において事実と異なっていたとしても、現在の権利関係に合致している限り、その登記の抹消を請求することはできない。 第1 事案の概要:亡Dは、隠居前に本件不動産を被上告人に対して贈与した。しかし、本件不動産に関する登記上の取得原因は、この贈与という事実とは異なる内容で記載され…