民訴法三九条は憲法三二条、一四条に違反しない。
民訴法三九条と憲法三二条、一四条
憲法32条,憲法14条,民訴法39条
判旨
憲法32条は法律で定められた裁判所による裁判を保障し、憲法14条は合理的な理由のない差別を禁止するものであるが、民事訴訟法39条が忌避申立てを受けた裁判官を特別に扱うことは合理的であり、憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
民事訴訟法39条の規定が、裁判を受ける権利(憲法32条)および法の下の平等(憲法14条)に違反するか。
規範
憲法32条は、国民が法律に定められた裁判所においてのみ裁判を受ける権利を有し、裁判所以外の機関によって裁判されないことを保障する。また、憲法14条は絶対的な平等の取扱いを保障するものではなく、事柄の性質に応じて合理的と認められる差別的取扱いをすることは同条の趣旨に反しない。
重要事実
抗告人は、民事訴訟法39条(忌避申立てを受けた裁判官の職務執行停止等に関する規定)が、憲法32条および14条に違反すると主張して特別抗告を申し立てた。具体的には、忌避申立てを受けた裁判官を一般国民と差別して取り扱う点等の違憲性が争点となった。
あてはめ
事件番号: 昭和47(ク)216 / 裁判年月日: 昭和47年9月7日 / 結論: 棄却
忌避を申し立てられた裁判官が退官したことを理由とし、忌避申立を利益がないとして却下した決定は、申立の実質的理由につき判断を示さなかつたからといつて、憲法三二条に違反するものではない。
憲法32条について、民訴法39条は裁判の手続きを定めるものであり、裁判所以外の機関に裁判をさせるものではない。憲法14条について、同条は合理的理由のない差別を禁じるものであるが、忌避申立てを受けた裁判官の職務執行を制限する民訴法39条の規定は、事柄の性質に照らし合理的であり、不当な差別には当たらない。また、同条がいかなる意味においても当該裁判官を一般国民と差別して取り扱うものとはいえない。
結論
民事訴訟法39条は、憲法32条および憲法14条に違反しない。
実務上の射程
裁判官の除斥・忌避に関する手続規定の合憲性を肯定した判例であり、訴訟手続上の合理的制約が憲法違反となるかどうかの判断基準(合理的区別の許容性)を示す際の参照先となる。
事件番号: 昭和52(ク)249 / 裁判年月日: 昭和52年12月1日 / 結論: 却下
民訴法三九条は除斥又は忌避についての裁判機関を定めたものであるから、裁判官が憲法七六条三項所定の良心に従つた裁判をすることとはなんら関係がない。
事件番号: 昭和41(ク)122 / 裁判年月日: 昭和41年4月6日 / 結論: 却下
原決定のいかなる点がいかなる理由で憲法に違反するのか具体的に主張のない特別抗告は、不適法である。
事件番号: 昭和38(し)33 / 裁判年月日: 昭和39年3月12日 / 結論: 棄却
刑訴法第二二条は、憲法第三七条第一項に違反しない。
事件番号: 昭和43(し)19 / 裁判年月日: 昭和43年3月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】忌避申立事件の原審裁判所が、特定の部(民事部等)によって構成されていること自体は、直ちに不適法となるものではない。 第1 事案の概要:抗告人は裁判官に対する忌避申立を行ったが、これに対する異議申立を棄却した原裁判所が名古屋高等裁判所の民事第三部であった。抗告人は、刑事事件に関連する手続(忌避)にお…