確定判決の弁論手続に民訴法一四三条違反の違法があることを理由として、他の訴訟において、当該判決の無効を主張することは、許されない。
確定判決の弁論手続が民訴法一四三条に違反する場合と判決の絶対無効
民訴法143条,民訴法188条,民訴法387条,民訴法394条,民訴法395条,民訴法420条
判旨
判決は原本に基づき言い渡された以上、手続に違法があっても当然無効とはならず、上訴や再審により取り消されない限り効力を有する。また、期日における当事者の出頭状況や判決言渡の方式は、口頭弁論の方式に関する事項として口頭弁論調書の記載のみによって証明すべきである。
問題の所在(論点)
1. 口頭弁論の方式に関する事項(出頭状況や言渡方式)の証明方法。2. 訴訟手続に違法がある確定判決の効力(判決の無効主張の可否)。
規範
1. 口頭弁論の方式に関する事項(民訴法160条2項。旧147条)は、調書のみによってこれを証すべきである。2. 判決はその原本に基づき言渡しがなされた以上、たとえ手続に違法があったとしても、上訴または再審の手続により取り消されない限り、判決としての効力を有する。他の訴訟手続において、当該判決の絶対無効を主張することは許されない。
重要事実
上告人は、別件確定判決について、その弁論手続中に民訴法143条(口頭弁論の不可分。旧143条)違反の違法があるため、当該判決は不存在または無効であると主張した。また、本件原審の第1回口頭弁論において準備書面が陳述されていない点や、第2回口頭弁論期日における出頭状況、判決原本に基づかない言い渡し(正本による言い渡し)がなされた等の手続上の違法を主張した。なお、記録上、原判決の原本は編綴されておらず、正本が編綴されていた。
事件番号: 昭和42(オ)576 / 裁判年月日: 昭和43年11月19日 / 結論: 棄却
一、宗教法人が、宗教法人法第二四条本文に掲げる財産を処分するに当たつてした同法第二三条の公告が、その時期、期間などの点において、同条および右宗教法人の規則の定と相違する場合に、当該行為の効力を判断するに当たつては、公告によつて行為の要旨を信者その他の利害関係人に周知させ、不当な処分を防止しようとする同法の趣旨が維持され…
あてはめ
1. 記録上、第1回口頭弁論調書には準備書面陳述の記載がなく、反証もないため、陳述はなされなかったものと推定される。また、第2回期日の出頭状況や言渡方式は「口頭弁論の方式」に該当し、調書の記載(不出頭・原本に基づく言渡し)のみが証拠力を有する。2. 別件確定判決は原本に基づき言い渡されているため、不存在ではない。仮に手続に違法があったとしても、確定判決である以上、再審等で取り消されない限り有効であり、別訴においてその無効を主張することは認められない。
結論
本件上告は棄却される。確定判決に重大な手続違法があるとしても、当然無効とはならず、再審等の正当な手続外でその効力を否定することはできない。
実務上の射程
判決の有効性を争う手段は上訴または再審に限られるという「判決の無効」の限定的な解釈を示す。また、民訴法160条2項の「調書の排他的証明力」の範囲として、当事者の出頭状況や言渡しの事実が含まれることを確認する際に用いる。
事件番号: 昭和42(オ)549 / 裁判年月日: 昭和43年2月1日 / 結論: 棄却
文書提出の申立については、必ずしも明示的に裁判しなければならないものではなく、黙示的にすることも許されると解すべきである。
事件番号: 昭和32(オ)742 / 裁判年月日: 昭和32年11月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】文書上の印影が本人または代理人の印章によるものと認められるときは、民事訴訟法228条4項(旧326条)により、その文書は真正に成立したものと推定される。また、農地の贈与契約は、農地法による知事の許可があった日に確定的に効力を生じる。 第1 事案の概要:上告人と被上告人の間で農地の贈与契約が締結され…
事件番号: 昭和32(オ)612 / 裁判年月日: 昭和36年6月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民法94条2項の適用における善意・無過失の要否について、原審が認定した事実に基づき、相手方が善意かつ無過失であれば保護されることを前提に上告を棄却した。 第1 事案の概要:上告人が、被上告人に対し、何らかの権利関係(詳細は判決文からは不明)につき虚偽の表示や悪意の存在を主張して争った事案。原審は、…