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口頭弁論期日の変更を必要とする顕著な事由の存在が明らかでないとされた事例
民訴法152条5項,民訴規則13条
判旨
準備手続を経ない口頭弁論期日の変更は、顕著な事由の存在が明らかであるときに限り許容されるべきであり、疎明資料を欠く申請を却下し弁論を終結した原審の判断は相当である。
問題の所在(論点)
疎明資料のない病気療養を理由とする期日変更申請を却下し、弁論を終結させた裁判所の措置は、期日変更の要件である「顕著な事由」の欠如として適法か。
規範
準備手続を経ない口頭弁論期日(第一回期日を除く)の変更は、民事訴訟法上の「顕著な事由」(現行民訴法93条3項、旧民訴法152条5項)の存在が明らかであるときに限り、許容されるべきである。
重要事実
上告人は、第5回口頭弁論期日を前に、胃潰瘍等の精密検査を理由とする期日変更を申請した。過去の第3回、第4回期日は診断書の提出により変更が認められていたが、今回は診断書等の疎明資料が添付されていなかった。また、相手方代理人は変更に同意せず、上告人は第1回期日から半年以上、準備書面や証拠申出を一切行っていなかった。原審は申請を認めず弁論を終結したため、上告人が訴訟手続の違法を主張した。
事件番号: 昭和49(オ)787 / 裁判年月日: 昭和50年7月21日 / 結論: 棄却
準備手続を経ない口頭弁論期日(第一回期日を除く。)の変更は、当事者の合意がある場合でも、顕著な事由の存在が明らかでないかぎり、これを許さなければならないものではない。
あてはめ
上告人は病気を理由に期日変更を求めたが、出頭不能を疎明する診断書を添付していない。また、過去に複数回期日変更が認められながら、長期間にわたり準備書面等の提出を怠っており、訴訟遅延の防止という観点からも変更の必要性は低い。さらに、被上告人側も変更に同意していない。これらの事実に照らせば、適正・迅速な裁判を実現する上で期日変更を認めるべき「顕著な事由」があるとは認められない。
結論
期日変更を認めず弁論を終結した原審の措置は相当であり、訴訟手続に違法はない。上告棄却。
実務上の射程
裁判所の期日指定に関する裁量権を認める射程は広く、特に疎明資料を欠く申請や訴訟遅延を招くおそれがある場合には、「顕著な事由」を厳格に解釈する。実務上、期日変更を求める際は、客観的な疎明資料の提出と相手方の同意が極めて重要であることを示す。
事件番号: 昭和38(オ)1280 / 裁判年月日: 昭和39年5月26日 / 結論: 棄却
準備手続を経ない口頭弁論における最初の期日の変更は、相手方の同意がなく、しかも、ただ当日着の電報で「急病の為延期たのむ」とした変更の申請がされただけで、出頭不能の程度の病気であつたか否かについて何等の疎明方法も提出されなかつた場合には、期日の変更について「顕著な事由」があるといえないから、右期日変更の申請を容れないで、…