控訴審における第一回口頭弁論期日(昭和四五年一二月一四日)の変更申請の理由が「昭和四五年一二月一三日控訴人より委任を受け右期日に差支えがある。」というのみでは、民訴法一五二条五項にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらない。
民訴法一五二条五項にいう「顕著ナル事由」の存する場合にあたらないとされた事例
民訴法152条5項
判旨
口頭弁論期日の変更が認められるためには、当事者の合意がない限り「顕著なる事由」が必要であり、単に期日に「差支えがある」とのみ主張し具体的な理由を明らかにしない場合は、これに該当しない。
問題の所在(論点)
民事訴訟における口頭弁論期日の変更の要件である「顕著なる事由」の存否の判断基準。特に、具体的な支障の内容を明らかにせず、単に「差支えがある」と主張することがこれに該当するか。
規範
第一回口頭弁論期日の変更において、当事者間に合意がない場合には、「顕著なる事由」(現行民事訴訟法93条3項参照)が存在するときに限り、期日の変更が許される。この「顕著なる事由」とは、期日の変更を正当化するに足りる客観的かつ具体的な障害を指すものと解される。
重要事実
控訴審(原審)の第一回口頭弁論期日において、上告人(控訴人)らの代理人が期日変更申請書を提出した。その申請理由には「昭和45年12月13日控訴人より委任を受け右期日に差支えがあります」と記載されているのみであった。原審はこの申請を却下し、期日を変更せずに手続を進めた。
あてはめ
本件において、上告人らの代理人が提出した変更申請書には、単に「期日に差支えがある」旨が記されているだけで、いかなる具体的な差し支えがあるのかが全く明らかにされていない。このような抽象的な主張のみでは、期日の変更を正当化すべき客観的な必要性があるとは認められず、「顕著なる事由」があるときにはあたらないと解される。したがって、原審が当該申請を却下した判断は正当である。
結論
期日変更申請を却下した原審の措置に違法はない。本件上告は棄却される。
実務上の射程
実務上、期日変更が認められるための疎明責任が申請側にあることを示す。答案では、適正・迅速な裁判(1条、2条)の観点から、期日変更には厳格な要件が課されていることを論じる際に引用できる。
事件番号: 昭和31(オ)656 / 裁判年月日: 昭和32年12月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】続行期日の変更申請の許否および口頭弁論の再開は裁判所の職権に属し、当事者の不出頭が責めに帰すべからざる事由に基づくものと認められない限り、申請を却下して審理を進めることは違法ではない。 第1 事案の概要:控訴人である上告人は、第一回口頭弁論期日に出頭せず、指定された次回続行期日についても、病気療養…
事件番号: 昭和32(オ)831 / 裁判年月日: 昭和36年4月20日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】売買の委託等の商取引において契約当事者が誰であるかは、商談の経緯、帳簿の記載、仕切書の宛名、事前の連絡状況等の諸般の事情を総合して判断すべきである。形式的な書面の記載のみならず、取引の実態や当事者の合理的な行動原理に照らして真実の委託者を確定する必要がある。 第1 事案の概要:被上告人(組合)は、…