換地処分の違法を理由とする国家賠償請求訴訟において原告の主張する違法と、当該原告がすでに請求棄却の確定判決を受けた右換地処分取消請求訴訟で主張した違法とが、その内容において異なるものでないときは、右確定判決の既判力は、右国家賠償の請求に及ぶ。
換地処分取消請求棄却の確定判決の既判力と右換地処分の違法を理由とする国家賠償請求
民訴法199条,行政事件訴訟法3条,国家賠償法1条
判旨
行政処分取消請求訴訟の棄却判決が確定した場合、その既判力により、後訴において当該処分の取消原因となる違法の存在を主張することはできない。
問題の所在(論点)
行政処分取消請求訴訟の請求棄却判決が確定した場合、その既判力は、後訴において当該行政処分の違法性を争うことを遮断するか。
規範
行政処分取消請求訴訟において請求棄却の判決が確定した場合、当該判決の既判力は処分の適法性に及ぶ。したがって、後訴において当該処分の取消原因となる違法の存在を主張し、裁判所がこれと矛盾する判断をすることは許されない。
重要事実
上告人は、本件土地に対する換地処分について、先に換地処分取消請求訴訟を提起したが、請求棄却の判決を受け、当該判決は確定した。その後、上告人は別訴(本件訴訟)において、前訴の取消訴訟で主張した違法事由と同一の内容を根拠に、再度換地処分の違法性を主張した。
あてはめ
上告人が本件訴訟において主張する違法の内容は、既に確定判決によって退けられた前訴の取消請求訴訟における違法主張と同一である。前訴の確定判決により、本件換地処分に取消原因となる違法が存在しないことは既に確定している。したがって、既判力の抵触を避けるため、本件訴訟においても当該処分が違法であるとの判断を行うことはできない。
結論
前訴の棄却判決の既判力により、本件換地処分が違法であるとの判断はできない。上告を棄却する。
実務上の射程
行政処分の適法性を争点とする後訴(国家賠償請求訴訟や公法上の法律関係に関する訴訟等)において、先行する取消訴訟の確定判決の既判力がどのように作用するかを論じる際の基礎となる判例である。前訴と後訴で主張される違法事由の同一性がポイントとなる。
事件番号: 昭和47(オ)1293 / 裁判年月日: 昭和48年10月4日 / 結論: 棄却
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