争いのある境界によつて隣接する土地の所有者は、境界確定の訴につき、当事者適格を有する。
境界確定の訴の当事者適格
民法223条,民訴法45法
判旨
土地境界確定の訴えにおける被告適格は、隣接する土地の所有者にあるため、係争地に隣接する土地を第三者に譲渡した者は、もはや被告適格を有しない。
問題の所在(論点)
土地境界確定の訴えにおいて、隣接地の元所有者であり現在は所有権を有しない者は、被告適格を有するか。
規範
土地の境界は土地所有権と密接な関係を有するものである。したがって、境界確定の訴えにおいて当事者適格(被告適格)を有する者は、隣接する土地の所有者であると解するのが相当である。
重要事実
上告人(原告)は、自己の所有地と隣接する325番の土地との境界確定を求めて、被上告人ら(被告)を提訴した。しかし、被上告人らは、当該325番の土地を既に訴外Dに譲渡しており、訴訟時点においてその所有権を有していなかった。
あてはめ
本件において、被上告人らが所有していた325番の土地は、既に第三者であるDに譲渡されている。境界確定の訴えは、公法上の境界を画定する性質を有するものの、その実質は隣接する土地所有権の範囲と密接に関わるものである。そのため、現に隣接地の所有権を有していない被上告人らに対し、境界の確定を求めることは、当事者適格の前提を欠くといえる。
結論
被上告人らは本件訴訟につき当事者適格を有しない。したがって、被上告人らを被告とした本件訴えは不適法である。
実務上の射程
境界確定の訴えが形式的形成訴訟であることを前提としつつ、その被告適格を「隣接地の現所有者」に限定するものである。所有権が移転している場合には、現在の所有者を被告としなければならないことを示す実務上重要な基準である。
事件番号: 昭和30(オ)57 / 裁判年月日: 昭和31年2月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】複数の公図の間に相違がある場合、いずれの証拠を信じ、いずれを排斥するかは裁判所の自由な合理的な裁量に属する。また、排斥する証拠について詳細な理由を判示しなかったとしても、特段の事情がない限り理由不備の違法とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、甲二号証、甲五号証、甲八号証という三種類の公図を提…
事件番号: 昭和32(オ)325 / 裁判年月日: 昭和35年3月1日 / 結論: 棄却
地盤所有権の取得につき未登記のままその地盤上に植栽した立木の所有権を、第三者に対抗するには、公示方法を必要とする。
事件番号: 昭和55(オ)624 / 裁判年月日: 昭和57年7月15日 / 結論: 棄却
係争土地の地上権者は、境界確定訴訟の当事者適格を有しない。