(省 略)
審級管轄を誤つて移送された移送決定にき束され最高裁判所が即時抗告審として審理判断した事例
裁判所法7条2号,裁判所法16条2号,民訴法419条ノ2,民訴法419条ノ3,民訴法399条
判旨
債権差押命令および取立命令に対する不服申立ては、即時抗告の方法によるべきであり、これに対し直接特別抗告を申し立てることは不適法である。
問題の所在(論点)
債権差押命令および取立命令に対する不服申立ての方法として、即時抗告を経ずに特別抗告を行うことが許されるか。
規範
債権差押命令および取立命令に対する適法な不服申立方法は、執行力ある判決等に基づく強制執行の手続として、即時抗告によるべきものと解される(旧民事訴訟法559条、現行民事執行法145条・155条参照)。
重要事実
抗告人は、債権差押命令および取立命令(以下「本件命令」という)を受けたが、これに対して直接、特別抗告を申し立てた。原決定は、この特別抗告の申立てを不適法として却下したため、抗告人がさらに本件抗告を申し立てた事案である。
あてはめ
事件番号: 昭和46(し)94 / 裁判年月日: 昭和46年11月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】不服申立に対する却下決定に対し特別抗告を申し立てる場合、その理由は当該却下決定自体の憲法違反等でなければならず、前審の判断内容を争う事由は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、管轄移送申立を却下する決定に対し即時抗告をしたが、これも棄却された。当該棄却決定は申立人に送達され、これに対して直接…
債権差押・取立命令に対しては、法により即時抗告が認められている。本件において、抗告人は即時抗告によらずに特別抗告を申し立てているが、これは法定の不服申立手続を誤ったものであり、不適法と言わざるを得ない。原決定が申立てを却下した判断は、手続法上の正当な解釈に基づくものである。
結論
債権差押・取立命令に対する不服申立ては即時抗告によるべきであり、本件特別抗告の申立てを却下した原決定は正当であるとして、本件抗告を棄却する。
実務上の射程
強制執行手続における各命令に対する不服申立方法の基本的枠組みを確認するものである。実務上、即時抗告が可能な処分について直接特別抗告(または許可抗告)を行うことは不適法却下の対象となるため、答案上も不服申立手段の選択(適法性)を論じる際の基礎となる。
事件番号: 昭和57(ク)138 / 裁判年月日: 昭和57年7月20日 / 結論: 却下
執行抗告の抗告状が原裁判所以外の裁判所に提出された場合には、これを受理した裁判所は、民訴法三〇条を類推適用して事件を原裁判所に移送すべきではなく、執行抗告を不適法として却下すべきである。
事件番号: 平成18(許)13 / 裁判年月日: 平成18年9月11日 / 結論: 棄却
強制執行を受けた債務者が,その請求債権につき強制執行を行う権利の放棄又は不執行の合意があったことを主張して裁判所に強制執行の排除を求める場合には,執行抗告又は執行異議の方法によることはできず,請求異議の訴えによるべきである。
事件番号: 昭和54(し)61 / 裁判年月日: 昭和54年5月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】電報による即時抗告の申立ては、刑事訴訟法上の適法な不服申立ての方法とは認められない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は即時抗告の申立てを電報によって行った。これに対し、原審(高等裁判所)は、電報による即時抗告の申立ては不適法であると判断した。抗告人はこの原判断を不服として、判例違反、違憲お…
事件番号: 昭和39(し)68 / 裁判年月日: 昭和40年2月9日 / 結論: 棄却
簡易裁判所がした、裁判の執行の異議申立を却下する決定に対し、特別抗告の申立があつても、右決定に対しては刑訴法第五〇四条により即時抗告をすることができるのであるから、直接最高裁判所に対しなされた右特別抗告は、刑訴法第四三三条第一項の要件を具えない不適法なものである。