電報による即時抗告申立の適否
刑訴法423条1項
判旨
電報による即時抗告の申立ては、刑事訴訟法上の適法な不服申立ての方法とは認められない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法における即時抗告の申立てを電報によって行うことが、同法が予定する適法な申立て方法として認められるか。
規範
刑事訴訟法上の訴訟手続としての申立ては、書面をもって行うことが原則であり、電報による申立ては、署名押印を欠き内容の真正性や正確性の担保が不十分であるため、適法な申立てとは認められない。
重要事実
本件において、抗告人は即時抗告の申立てを電報によって行った。これに対し、原審(高等裁判所)は、電報による即時抗告の申立ては不適法であると判断した。抗告人はこの原判断を不服として、判例違反、違憲および法令違反を理由に最高裁判所に特別抗告(または抗告)を申し立てたものである。
あてはめ
刑事訴訟法上の申立手続は、厳格な書式や署名押印が求められる書面主義を基本としている。電報は、発信人の同一性や意思表示の真正性を確認するための署名押印を欠いており、かつ伝達過程での誤謬の可能性も排除できない。したがって、電報による申立ては、法が要求する適式な書面による申立てと同視することはできず、不適法なものと解される。
事件番号: 昭和29(し)9 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
地裁の一人の裁判官が刑訴第二四条により忌避申立却下の裁判をしたときは、これに対する不服は同第四二九条第一項(準抗告)によりその地方裁判所に対し行うべく、同第二後条により即時抗告をなすべきものではない。
結論
電報による即時抗告の申立ては不適法である。したがって、原判断を正当として本件抗告を棄却する。
実務上の射程
刑事手続における書面主義の厳格さを確認する判例である。現代におけるファクシミリや電子メール等による代用可能性についても、特段の規定がない限り、署名押印や原本性の観点から本判例の論理が妥当し得る。答案上は、期間制限のある不服申立ての適法性を論じる際の準拠枠組みとなる。
事件番号: 昭和54(し)105 / 裁判年月日: 昭和54年11月6日 / 結論: 棄却
即時抗告又はこれに代わる異議の申立について、申立書に申立理由の記載があるとは認められず、申立期間内に理由書の提出もないときは、手続がその規定に違反したものとして、申立を棄却すべきである。
事件番号: 昭和31(し)10 / 裁判年月日: 昭和31年6月5日 / 結論: 棄却
地方裁判所の一人の裁判官が刑訴第二四条によりした忌避申立却下の裁判に対し地方裁判所に即時抗告の申立があつた場合には、同裁判所は刑訴第四二六条第一項前段により不適法として右抗告を棄却すべきものである。
事件番号: 昭和52(し)30 / 裁判年月日: 昭和52年4月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立てにおいて、申立書自体に憲法違反や判例違反の具体的摘示がなく、かつ、法定期限内にこれらを補う理由書も提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件における特別抗告人は、抗告の趣旨として憲法違反及び判例違反を主張した。しかし、提出された特別抗告申立書…
事件番号: 昭和48(し)31 / 裁判年月日: 昭和48年5月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、裁判官の忌避申立却下決定に対する準抗告棄却決定については不服申立の規定が存在しないため、これに対する即時抗告は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、裁判官忌避申立却下決定に対する準抗告を申し立てたが棄却された。これに対し、さらに即時抗告を申し立てたところ、原審が不適法として棄却…