即時抗告又はこれに代わる異議の申立について、申立書に申立理由の記載があるとは認められず、申立期間内に理由書の提出もないときは、手続がその規定に違反したものとして、申立を棄却すべきである。
即時抗告文はこれに代わる異議の申立について申立理由が示されない場合の処置
刑訴法426条1項,刑訴法428条2項,刑訴法428条3項
判旨
即時抗告またはこれに代わる異議の申し立てにおいて、申し立て書に理由の記載がなく、かつ期間内に理由書の提出もない場合は、手続規定違反として棄却されるべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上、即時抗告またはこれに代わる異議の申し立てにおいて、申立書に理由の記載がなく、期間内に理由書の提出もない場合、当該申し立てを不適法として棄却できるか。申立理由の具備が申立ての適法要件となるかが問題となる。
規範
即時抗告又はこれに代わる異議の申立てにつき、申立書自体に具体的理由の記載が認められず、かつ、申立期間内に別途理由書の提出もなされない場合には、当該申立ては手続上の規定に違反したものとして、不適法として棄却を免れない。
重要事実
申立人は、高等裁判所がした裁判官忌避申立てを却下する決定に対し、異議の申立てを行った。しかし、当該異議申立書には申立理由の記載が認められず、かつ、定められた申立期間内に理由書を提出することもなかった。原審は、この手続不備を理由に異議申立てを棄却したため、申立人が最高裁判所に特別抗告を行ったものである。
事件番号: 昭和29(し)9 / 裁判年月日: 昭和29年5月4日 / 結論: 棄却
地裁の一人の裁判官が刑訴第二四条により忌避申立却下の裁判をしたときは、これに対する不服は同第四二九条第一項(準抗告)によりその地方裁判所に対し行うべく、同第二後条により即時抗告をなすべきものではない。
あてはめ
本件において、申立人が提出した異議申立書には理由の記載があったとは認められない。また、不服申立期間という限定された期間内に、補完的な理由書の提出も行われていない。このような状態は、不服申立ての手続を定めた規定に違反する不適法な状態といえる。したがって、実質的な審理に入るまでもなく、形式的な手続違背を理由に棄却することが相当であると判断される。
結論
本件異議申立ては手続規定に違反するため、棄却を免れない。原審の判断は相当であり、本件抗告は棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における即時抗告や異議申立ての適法性を判断する際の基礎となる判例である。答案上は、不服申立手続の適法性が問題となる場面で、理由の記載が「手続規定」の一部として必須であることを示す根拠として活用できる。特に期間制限がある手続において、理由の提示を欠く申立てを早期に排斥する実務的運用の正当性を担保するものである。
事件番号: 昭和54(し)61 / 裁判年月日: 昭和54年5月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】電報による即時抗告の申立ては、刑事訴訟法上の適法な不服申立ての方法とは認められない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は即時抗告の申立てを電報によって行った。これに対し、原審(高等裁判所)は、電報による即時抗告の申立ては不適法であると判断した。抗告人はこの原判断を不服として、判例違反、違憲お…
事件番号: 昭和52(し)30 / 裁判年月日: 昭和52年4月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立てにおいて、申立書自体に憲法違反や判例違反の具体的摘示がなく、かつ、法定期限内にこれらを補う理由書も提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件における特別抗告人は、抗告の趣旨として憲法違反及び判例違反を主張した。しかし、提出された特別抗告申立書…
事件番号: 昭和38(し)9 / 裁判年月日: 昭和38年4月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、原判決の認定に副わない事実を前提とする違憲主張や、実質的に単なる法令違反を主張するものは、適法な抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:抗告人らが、原決定に対して特別抗告を申し立てた事案。抗告人らは、憲法違反を理由として主張を展開したが、その内容は原判決の認定した事実とは異なる…