特別抗告申立書自体に違憲及び判例違反の具体的な摘示がなく、抗告期間内にこれを補う理由書も提出されていないとして、特別抗告が不適法とされた事例
刑訴法433条,刑訴法428条
判旨
特別抗告の申立てにおいて、申立書自体に憲法違反や判例違反の具体的摘示がなく、かつ、法定期限内にこれらを補う理由書も提出されない場合には、当該申立ては不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
特別抗告の申立書に具体的な理由の記載がなく、かつ期間内に理由書も提出されない場合、当該申立ての適法性(刑事訴訟法433条、434条、426条1項)が否定されるか。
規範
特別抗告の申立理由(刑事訴訟法405条準用)として憲法違反または判例違反を主張する場合、申立書においてこれらを具体的に摘示しなければならない。申立書に具体的な摘示がない場合であっても、抗告提起期間内にこれらを補完する理由書が提出されない限り、当該抗告は適法な申立てとしての要件を欠く。
重要事実
本件における特別抗告人は、抗告の趣旨として憲法違反及び判例違反を主張した。しかし、提出された特別抗告申立書自体には、どのような憲法違反や判例違反があるのかについての具体的な指摘がなされていなかった。また、抗告提起期間が経過するまでの間に、申立書の内容を補足する理由書も提出されなかった。
あてはめ
刑事訴訟法上の特別抗告においては、申立理由の具体的な摘示が不可欠である。本件では申立書に具体的な適示を欠いており、かつ、不備を補正すべき抗告提起期間内においても理由書の提出がなされなかった。したがって、適法な申立理由が提示されたとは評価できず、形式的要件を欠いた不適法な申立てであると判断される。
事件番号: 昭和38(し)9 / 裁判年月日: 昭和38年4月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告において、原判決の認定に副わない事実を前提とする違憲主張や、実質的に単なる法令違反を主張するものは、適法な抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:抗告人らが、原決定に対して特別抗告を申し立てた事案。抗告人らは、憲法違反を理由として主張を展開したが、その内容は原判決の認定した事実とは異なる…
結論
本件各抗告は不適法であるため、刑事訴訟法434条、426条1項により棄却する。
実務上の射程
特別抗告の申立適格や手続的要件を確認する際、申立書および理由書の提出期限と具体的記載の有無が厳格に審査されることを示す事例である。司法試験においては、不服申立手続の適法性を論じる際の形式的要件の確認として参照し得る。
事件番号: 昭和54(し)105 / 裁判年月日: 昭和54年11月6日 / 結論: 棄却
即時抗告又はこれに代わる異議の申立について、申立書に申立理由の記載があるとは認められず、申立期間内に理由書の提出もないときは、手続がその規定に違反したものとして、申立を棄却すべきである。
事件番号: 昭和46(し)92 / 裁判年月日: 昭和46年11月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法433条に基づく特別抗告において、実質的に単なる法令違反を主張するものは、同条所定の抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し刑訴法433条に基づき特別抗告を申し立てた。抗告の趣意において抗告人は「違憲」を主張したが、その実質的な内容は、憲法問題ではなく単なる法令の適用…
事件番号: 昭和54(し)61 / 裁判年月日: 昭和54年5月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】電報による即時抗告の申立ては、刑事訴訟法上の適法な不服申立ての方法とは認められない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は即時抗告の申立てを電報によって行った。これに対し、原審(高等裁判所)は、電報による即時抗告の申立ては不適法であると判断した。抗告人はこの原判断を不服として、判例違反、違憲お…
事件番号: 昭和57(し)119 / 裁判年月日: 昭和57年11月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の理由として憲法違反や判例違反が主張されていても、実質が単なる法令違反の主張にすぎない場合には、刑事訴訟法433条の抗告理由には当たらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原判断に判例違反および憲法違反があるとして特別抗告を申し立てた。しかし、その主張の内容を精査したところ、原判断は引用され…