借地上の建物が数こに分かれて賃貸されている場合において、その一部の家賃に地代家賃統制令の適用があつても、他の部分が九九平方メートルをこえその部分について同令の適用がないものである以上、その敷地の地代については、同令の適用はなく、右建物面積の割合に応じて同令を適用すべきものではない。
借地上の建物が数こに分かれて賃貸されその家賃に一部地代家賃統制令の適用がある場合と右敷地の地代に対する同令の適用関係
地代家賃統制令23条2項
判旨
地代家賃統制令の適用除外要件を満たす建物が存在する場合、その敷地である土地の全体が同令の適用から除外されるべきであり、建物の一部のみを基準に敷地を区分して統制の成否を判断することは許されない。
問題の所在(論点)
地代家賃統制令の適用除外建物が存する土地において、敷地の一部のみを適用除外とし、残余の部分について同令の適用を認めることができるか。
規範
地代家賃統制令23条2項によれば、延べ面積が99平方メートルを超える建物(一定の除外規定を除く)及びその敷地については、同令の適用が除外される。この規定が適用される建物である以上、特段の事情がない限り、その敷地である土地の全体が適用除外となる。
重要事実
上告人(賃貸人)が被上告人(賃借人)に対し、本件土地の賃料値上げを申し入れた。本件土地上には2階建アパートが存在し、その一部((a)部分)については店舗等として賃貸され、延べ面積の要件等から地代家賃統制令の適用除外建物に該当していた。原審は、当該アパートのうち(a)及び(b)部分に相当する敷地部分については適用除外として相当賃料を算定したが、その余の敷地部分についてはなお同令の適用があるとして統制賃料を算定し、これらを合算した額を超える請求を排斥した。
あてはめ
本件アパートは、(a)部分及び(b)部分を別個独立の建物とみない限り、全体として地代家賃統制令上の適用除外建物に該当する。同令の規定は、建物が適用除外であれば「その敷地」も同様に除外される旨を定めている。したがって、本件土地のうち特定の建物部分に対応する敷地部分のみを抽出して適用除外とする原審の判断は、特段の理由がない限り同令の解釈適用を誤るものである。
結論
本件土地は、その敷地全体について地代家賃統制令の適用が除外される。したがって、土地の一部を統制賃料、他を相当賃料として算定した原判決は破棄を免れない。
実務上の射程
法令による公的規制(統制額)の適用の有無を検討する際、対象物(土地)の不可分性や建物の物理的実態を重視する判断枠組み。敷地利用の単位が同一である以上、部分的な適用除外は認められず、全体として規範を適用すべきとする答案構成に有用である。
事件番号: 昭和37(オ)1329 / 裁判年月日: 昭和38年12月6日 / 結論: その他
地代家賃統制令の適用を受けなくなつたことを認める旨の当事者の陳述によつて、同令の適用の有無を判断するにつき拘束を受けることはない。