補助参加人のなした控訴の申立が被参加人の意思に反するものであつても、その申立の以前に、被参加人が相手方と不控訴の合意をなし、または控訴権を放棄していたなどの事由の存在しないかぎり、右控訴の申立は、被参加人の訴訟行為に抵触するものとはいえず、無効とはならないものと解すべきである。
被参加人の意思に反する補助参加人の控訴申立の効力
民訴法69条,民訴法360条,民訴法364条
判旨
補助参加人による控訴は、被参加人が控訴権を放棄等していない限り、被参加人の明示の意思に反する場合であっても有効である。また、土地所有権の既判力は、基準時より前に伐採され独立の動産となった立木には及ばない。
問題の所在(論点)
1.補助参加人による控訴の申立てが、被参加人の意思に反する場合に民訴法45条2項の「抵触」として無効となるか。 2.土地所有権の確認を命ずる確定判決の既判力が、口頭弁論終結前に伐採された伐倒木に及ぶか。
規範
1.補助参加人の訴訟行為が被参加人の行為と抵触し無効となるのは(民訴法45条2項)、被参加人があらかじめ不控訴の合意や控訴権の放棄をしていた場合に限られ、単に被参加人の意思に反するだけでは抵触に当たらない。 2.土地所有権確認判決の既判力は、口頭弁論終結時における土地の所有権の存否に及ぶものであり、基準時より前に伐採されて独立の動産となった伐倒木には及ばない。
重要事実
上告人と脱退控訴人(被上告人の前主)との間で、土地所有権確認訴訟が提起され、上告人の勝訴判決が確定した。しかし、本件の争点となっている伐倒木は、当該訴訟の口頭弁論終結時よりも前に伐採されていた。上告人は、前訴の確定判決の既判力が伐倒木にも及ぶと主張した。また、補助参加人がなした控訴について、被参加人の意思に反しており民訴法45条2項の「抵触」に当たり無効ではないかが争われた。
あてはめ
1.補助参加人の控訴について、被参加人が事前に不控訴合意や控訴権放棄をしていた事実が認められない限り、単に被参加人の現在の意思に反するというだけでは、訴訟行為の矛盾を防ぐという同条の趣旨に照らし「抵触」とはいえない。 2.前訴確定判決は口頭弁論終結時における土地所有権を確認するにとどまる。本件伐倒木は終結時に既に土地から分離し独立の動産となっているため、土地の所有権確認の対象には含まれず、既判力による拘束力は及ばない。
結論
1.補助参加人の控訴は有効である。 2.前訴確定判決の既判力は本件伐倒木には及ばず、上告人の請求は棄却される。
実務上の射程
補助参加人の独立性を強調する基準として重要である。また、土地に関する既判力の客観的範囲を検討する際、分離した動産(立木・石など)が分離時期との関係で既判力の対象に含まれるかを判断する実務上の指針となる。
事件番号: 昭和31(オ)549 / 裁判年月日: 昭和34年9月22日 / 結論: 棄却
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所有権確認訴訟の係属中、訴訟の目的たる権利を原告から譲り受けたことを主張して訴訟参加をした者が、第二審で勝訴し、被告が参加人を相手方として上告の申立をしたときは、原告のためにもその効力を生じ、同人は被上告人たる地位を取得したものと解すべきである。