昭和五七年法律第八一号による改正前の公職選挙法一四二条一項の規定は憲法二一条に違反しない
憲法21条,公選法142条1項
判旨
公職選挙法142条1項による文書図画の頒布制限は、表現の自由を保障する憲法21条に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法142条1項による選挙運動用文書図画の頒布禁止規定が、憲法21条に違反し違憲とならないか。
規範
選挙の公正を確保し、過当な競争を防止するために設けられた合理的な制限である限り、憲法21条に違反しない(昭和39年11月18日大法廷判決、昭和44年4月23日大法廷判決の趣旨に依拠)。
重要事実
被告人は、選挙運動に関し、公職選挙法142条1項が認める法定のハガキ等以外の文書図画を頒布したとして、同法違反で起訴された。弁護人は、同項の規定が表現の自由を侵害し憲法21条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
判旨によれば、本件規定が憲法21条に違反しないことは、当裁判所の累次の判例趣旨に照らして明らかである。選挙の公正という重要な公共の利益を達成するための制限であり、合理的範囲内の規制といえる。したがって、被告人側の違憲主張には理由がない。
結論
公職選挙法142条1項は合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
選挙運動の自由に対する制限(戸別訪問禁止、文書図画頒布制限等)の合憲性が争われる際、過去の大法廷判決を維持・引用する形式で簡潔に合憲性を肯定する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和51(あ)281 / 裁判年月日: 昭和51年9月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法142条による文書頒布の制限は、表現の自由を保障する憲法21条に違反しない。選挙の公正を確保するための合理的かつ必要最小限度の制限として合憲であるとする先行判例を維持したものである。 第1 事案の概要:被告人が公職選挙法142条の規定に反して文書を頒布したとして起訴された事案。被告人側は…