公職選挙法一四二条と憲法二一条、三一条(合憲)
憲法21条,憲法31条,公選法142条
判旨
公職選挙法142条による文書頒布の制限、および同条を適用して処罰することは、憲法21条および31条に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法142条(文書頒布の制限)が憲法21条および31条に違反し、違憲無効となるか。
規範
選挙の公正を確保するための手段として、特定の文書・図画の頒布を制限することは、合理的かつ必要最小限の制限である限り、表現の自由(憲法21条)を侵害せず、また正当な手続(憲法31条)にも反しない(最高裁大法廷判例の趣旨)。
重要事実
被告人が、公職選挙法142条の規定に違反して文書を頒布したとして、同法違反の罪で起訴された事案。被告人側は、同条の規定およびその適用が表現の自由を保障する憲法21条や適正手続を定める憲法31条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
最高裁は、公職選挙法142条の規定自体および本件の行為に対する同条の適用について、過去の累次の大法廷判決(昭28.4.6、昭39.11.18、昭44.4.23)を引用。これらの判例の趣旨に照らせば、同条の規制は選挙の自由公正を確保するための合理的制限として合憲であることは明らかであると判断した。
結論
公職選挙法142条およびその適用は合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
選挙運動の自由に対する制限の合憲性を検討する際、公職選挙法の各規制を合憲とする「合理的制限論」の根拠として、過去の大法廷判決を再確認したものとして位置づけられる。答案上は、表現の自由の制約が選挙の公正という目的のために必要最小限であるかを論じる際の標準的な判例として引用する。
事件番号: 昭和59(あ)1134 / 裁判年月日: 昭和61年11月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公職選挙法142条1項による文書図画の頒布制限は、表現の自由を保障する憲法21条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人は、選挙運動に関し、公職選挙法142条1項が認める法定のハガキ等以外の文書図画を頒布したとして、同法違反で起訴された。弁護人は、同項の規定が表現の自由を侵害し憲法21条に違反する…