上告棄却決定が被告人の死亡により取消された事例
刑訴法339条1項4号,刑訴法385条2項,刑訴法426条2項,刑訴法428条2項,刑訴法428条3項
判旨
被告人が死亡したときは、刑事訴訟法339条1項4号に基づき、決定をもって公訴を棄却しなければならない。
問題の所在(論点)
刑事裁判の継続中に被告人が死亡した場合の措置、および適用されるべき条文(刑訴法339条1項4号の適用)。
規範
刑事訴訟法339条1項4号は、被告人が死亡したときには決定で公訴を棄却すべき旨を定めている。上告審においては、同法414条・404条により、第一審の公訴棄却の規定が準用される。また、原判決(原決定)がある場合に被告人の死亡が判明したときは、同法414条・404条・339条1項4号の規定により、原判決を取り消した上で公訴棄却の決定を行う。
重要事実
被告人に対し刑事裁判が継続していたところ、被告人は昭和56年9月17日午前0時3分に死亡した。この事実は、千葉県市川市長による戸籍抄本の記載によって証明された。当時、本件は最高裁判所に係属中であったため、公訴棄却の要件を満たすかどうかが問題となった。
あてはめ
本案において、戸籍抄本という客観的な証拠により被告人の死亡が確認されている。被告人の死亡は刑事訴訟法339条1項4号に定める「被告人が死亡し、又は被告人である法人が存続しなくなつたとき」に該当する。上告審においてこの事実が判明した以上、同法414条、404条に基づき、第一審の公訴棄却の規定を準用して処理すべきである。したがって、既に下されている原決定を維持することはできず、これを取り消した上で公訴を棄却するのが相当である。
事件番号: 昭和45(あ)79 / 裁判年月日: 昭和45年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が上告審での係属中に死亡した場合には、裁判所は、刑事訴訟法414条、404条、339条1項4号を適用し、決定をもって公訴を棄却しなければならない。 第1 事案の概要:被告人は、業務上過失傷害および道路交通法違反の罪で起訴され、昭和44年11月27日に広島高等裁判所で判決を受けた。被告人はこの…
結論
原決定を取り消し、被告人に対する本件公訴を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟において被告人の生存は訴訟条件の一つであり、死亡により訴訟関係は終了する。実務上、上告審で死亡が判明した場合は、本決定のように刑訴法414条・404条・339条1項4号を組み合わせて引用し、原判決取消・公訴棄却の形式で処理する。答案上は、訴訟条件の欠缺(死亡)とその効果(公訴棄却決定)を条文に即して記述する際に参照すべき基本例である。
事件番号: 昭和48(す)59 / 裁判年月日: 昭和48年3月30日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が死亡したときは、刑事訴訟法に基づき公訴を棄却しなければならない。本判決は、上告審での被告人死亡が戸籍抄本により判明したため、原決定を取り消した上で公訴棄却の決定を下したものである。 第1 事案の概要:被告人Aは、刑事裁判の過程(本件では上告審あるいは異議申立段階)にある中、昭和48年2月1…
事件番号: 昭和58(あ)1312 / 裁判年月日: 昭和58年10月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が上告提起後に死亡した場合には、刑事訴訟法339条1項4号に従い、公訴棄却の決定をすべきである。 第1 事案の概要:業務上過失致死傷および道路交通法違反の罪で起訴された被告人に対し、名古屋高等裁判所が判決を言い渡した。これに対し弁護人および検察官の双方が上告を申し立てたが、上告審での審理中に…
事件番号: 平成2(あ)402 / 裁判年月日: 平成2年9月11日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告棄却決定の謄本発送前に被告人が死亡していたことが判明した場合、刑事訴訟法に基づき、決定ではなく公訴棄却の決定をもって訴訟を終結させるべきである。 第1 事案の概要:業務上過失傷害および道路交通法違反の罪に問われた被告人に対し、名古屋高裁が控訴棄却判決を言い渡した。被告人はこれに対し上告を申し立…