異議申立により上告棄却決定が取り消された事例
刑訴法385条2項
判旨
被告人が死亡したときは、刑事訴訟法に基づき公訴を棄却しなければならない。本判決は、上告審での被告人死亡が戸籍抄本により判明したため、原決定を取り消した上で公訴棄却の決定を下したものである。
問題の所在(論点)
刑事裁判の継続中に被告人が死亡した場合の裁判所の措置、および上告審において被告人死亡の事実が判明した場合の手続的処理が問題となる。
規範
刑事訴訟法339条1項4号は、被告人が死亡したときは、決定で公訴を棄却しなければならないと定めている。また、上告審においてこの事由が判明した場合には、同法414条、404条により、原判決を取り消した上で公訴を棄却すべきである。
重要事実
被告人Aは、刑事裁判の過程(本件では上告審あるいは異議申立段階)にある中、昭和48年2月14日に死亡した。この事実は、昭和48年2月26日付の埼玉県草加市長による戸籍抄本の記載によって客観的に証明された。
あてはめ
被告人Aの死亡は、公的な証明書類である戸籍抄本の記載により明らかである。刑事訴訟において被告人の生存は訴訟条件の一つであり、死亡によって被告人不在となった以上、実体的な審理を継続することはできない。したがって、刑事訴訟法339条1項4号の公訴棄却事由に該当する。また、上告審の手続規定(414条等)を準用し、原決定を維持せず自ら公訴を棄却する措置を執るべきである。
事件番号: 昭和56(す)142 / 裁判年月日: 昭和56年10月8日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が死亡したときは、刑事訴訟法339条1項4号に基づき、決定をもって公訴を棄却しなければならない。 第1 事案の概要:被告人に対し刑事裁判が継続していたところ、被告人は昭和56年9月17日午前0時3分に死亡した。この事実は、千葉県市川市長による戸籍抄本の記載によって証明された。当時、本件は最高…
結論
原決定を取り消し、本件公訴を棄却する。
実務上の射程
被告人死亡による公訴棄却という刑事訴訟法上の原則的な処理を示すものである。答案上は、訴訟条件が欠けている場合の裁判所の義務的な終局裁判として、刑訴法339条1項4号を摘示する際の根拠となる。上告審であっても例外なく適用される。
事件番号: 昭和44(あ)1097 / 裁判年月日: 昭和44年12月2日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告審の継続中に被告人が死亡した場合には、刑事訴訟法414条、404条、339条1項4号を適用して、決定により公訴を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人は業務上過失傷害被告事件について、第一審の有罪判決に対し控訴したが棄却され、さらに最高裁判所に上告を申し立てていた。しかし、当該事件が最高…
事件番号: 昭和58(あ)1312 / 裁判年月日: 昭和58年10月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告人が上告提起後に死亡した場合には、刑事訴訟法339条1項4号に従い、公訴棄却の決定をすべきである。 第1 事案の概要:業務上過失致死傷および道路交通法違反の罪で起訴された被告人に対し、名古屋高等裁判所が判決を言い渡した。これに対し弁護人および検察官の双方が上告を申し立てたが、上告審での審理中に…
事件番号: 昭和49(す)127 / 裁判年月日: 昭和49年7月18日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟において被告人が死亡したことが戸籍謄本等により明らかとなった場合、裁判所は刑事訴訟法に基づき公訴を棄却しなければならない。 第1 事案の概要:被告人が昭和49年5月14日に死亡した。この事実は、昭和49年6月13日付の秋田市長の認証に係る被告人の戸籍謄本によって確認された。検察官は、被告人…