爆発物取締罰則が違憲無効である旨の上告趣意を不適法とした事例
憲法11条,憲法13条,憲法14条,憲法19条,憲法21条,憲法31条,憲法36条,爆発則
判旨
爆発物取締罰則は、明治17年の太政官布告であり法律制定手続を経ていないが、現行憲法施行後の今日においても法律としての効力を有する。
問題の所在(論点)
明治憲法制定前の太政官布告である「爆発物取締罰則」が、現行憲法下において法律としての効力を有するか。また、その内容は違憲ではないか。
規範
明治憲法制定前に布告された太政官布告であっても、その内容が実質的に法律として存続させる必要があり、現行憲法下の法体系において法律と同様の効力を認め得ると解されるものは、法律としての効力を有する。
重要事実
被告人は爆発物取締罰則違反の罪で起訴された。これに対し被告人側は、同罰則が明治17年の太政官布告であり、憲法が定める法律制定手続を経ていない違憲の命令であるから、法的な効力を有しないと主張して上告した。
あてはめ
判例は、爆発物取締罰則が現行憲法施行後においても法律としての効力を有することを累次の判例により極めて明らかであるとしている。また、同罰則の内容が違憲であるとの主張や、自白の任意性・適法性に関する主張についても、記録上それらを認める根拠がなく、前提を欠くと判断される。
結論
爆発物取締罰則は依然として法律としての効力を有し、憲法違反の点も認められないため、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
太政官布告の有効性を肯定した先例であり、現在も存続する古い法令(軽犯罪法の一部旧規定等)の効力が争われる際の基準となる。答案上は、爆発物取締罰則の合憲性・有効性が問われた場合に、判例の結論を引用する形で「法律としての効力を有する」と簡潔に述べる際に用いる。
事件番号: 昭和53(あ)1760 / 裁判年月日: 昭和55年4月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は現行憲法施行後も法律としての効力を有し、「治安ヲ妨ケ」等の概念もあいまいで不明確とはいえず、憲法19条、31条、36条等に違反しない。 第1 事案の概要:被告人らは、爆発物取締罰則違反の罪で起訴された。これに対し被告人側は、同罰則が法律としての効力を欠くこと、また「治安ヲ妨ケ」等の…