爆発物取締罰則に関する違憲主張を欠前提で処理した事例
憲法11条、憲法12条、憲法13条、憲法19条、憲法21条、憲法31条、爆発則
判旨
爆発物取締罰則は、明治17年太政官布告第32号として制定されたものであるが、現在においても法律としての効力を有しており、その規定内容に憲法違反の点はない。
問題の所在(論点)
明治17年に制定された太政官布告である「爆発物取締罰則」が、現行法の下で法律としての効力を維持しているか。また、同罰則の規定が憲法に適合するか。
規範
爆発物取締罰則は、明治22年の大日本帝国憲法施行に際して「法律」としての効力を認められたものであり、日本国憲法施行後においても、同憲法第98条1項に反しない限り、法律としての効力を維持し続ける。また、その罰則規定が処罰の範囲や刑罰の程度において合理性を欠くものでない限り、憲法に適合する。
重要事実
被告人両名は、爆発物取締罰則違反の罪により有罪判決を受けた。これに対し、被告人側は、同罰則が明治時代の太政官布告であり、適法な手続を経て成立した法律ではないため効力を有しないこと、および、その規定内容が憲法に違反することを理由として、上告を申し立てた。
あてはめ
判例(昭和24年4月6日大法廷判決等)が累次示す通り、爆発物取締罰則は憲法施行に伴い法律としての効力を有するものと承認されている。被告人が主張する違憲性の根拠となる諸点は、同罰則が公共の安全を維持するための合理的な規制であるという実態に照らせば、いずれも採用し得ない。したがって、同罰則の適用を違法・違憲と断ずることはできない。
結論
爆発物取締罰則は法律としての効力を有し、憲法にも違反しないため、同罰則を適用した原判決に誤りはない。
実務上の射程
太政官布告の法律的効力を肯定する代表的判例であり、憲法98条の解釈や、形式的に古い規定の有効性が争点となる場面で引用される。答案上は、爆発物取締罰則の合憲性・有効性が問題となった際、累次の判例を前提に肯定する流れで用いる。
事件番号: 昭和53(あ)423 / 裁判年月日: 昭和53年11月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は憲法施行後も法律としての効力を有し、その法定刑や構成要件は憲法31条、36条、14条、19条等に違反しない。 第1 事案の概要:被告人両名が、爆発物取締罰則3条(所定の目的での爆発物等の製造・輸入・所持・注文)に該当する行為を行ったとして起訴された事案。被告人側は、同罰則が明治憲法…
事件番号: 昭和56(あ)254 / 裁判年月日: 昭和56年6月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は、明治17年の太政官布告であり法律制定手続を経ていないが、現行憲法施行後の今日においても法律としての効力を有する。 第1 事案の概要:被告人は爆発物取締罰則違反の罪で起訴された。これに対し被告人側は、同罰則が明治17年の太政官布告であり、憲法が定める法律制定手続を経ていない違憲の命…