爆発物取締罰則一条の構成要件が不明確で憲法三一条に違反するとの主張が排斥された事例
憲法14条,憲法19条,憲法31条
判旨
爆発物取締罰則は、現行憲法施行後も法律としての効力を有し、その構成要件の明確性や法定刑の合理性において憲法に違反しない。
問題の所在(論点)
1. 爆発物取締罰則は現行憲法下でも法律としての効力を有するか。 2. 同法1条の構成要件は不明確であり憲法31条(明確性の原則)に違反しないか。 3. 同法が定める法定刑は憲法31条等に照らして妥当か。
規範
爆発物取締罰則は、特定の目的で爆発物を使用する等の行為を処罰するものであり、内心の思想等を問うものではない。同法1条の構成要件は一義的に明確であり、憲法31条(罪刑法定主義)に違反しない。また、法定刑の定めは立法政策の問題であり、著しく不合理でない限り憲法適否の問題とはならない。
重要事実
被告人らは、特定の目的をもって爆弾(爆発物)を使用し、爆発物取締罰則違反等に問われた。弁護側は、同罰則が明治17年制定の太政官布告であり現行憲法下で失効していること、構成要件が不明確で憲法31条等に違反すること、および法定刑が過重であることを理由に違憲を主張した。
あてはめ
最高裁は、同罰則が今日においても法律としての効力を保有することは確立した判例であるとした。内容面でも、同法1条は特定の目的による爆発物の使用を処罰するもので、思想・良心を問うものではなく、その構成要件も曖昧・不明確とはいえない。さらに、法定刑の選択は立法府の裁量に属する立法政策の問題であり、憲法違反の主張は当たらないと判断した。
結論
爆発物取締罰則は憲法14条、19条、31条等に違反せず、依然として有効な法律である。
実務上の射程
太政官布告の実効性および明確性の原則に関する基本判例。法令が極めて古い場合でも、実質的な規範性が維持され、構成要件が社会通念上確定可能であれば憲法31条に違反しないとする議論の拠り所となる。また、爆発物等の定義について判例違反を認めず原審を維持した点も実務上重要である。
事件番号: 昭和51(あ)252 / 裁判年月日: 昭和51年11月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】爆発物取締罰則は憲法施行後も法律として効力を有し、その1条が定める「治安ヲ妨ケ」の概念は憲法31条にいう明確性の原則に反せず、同条の法定刑も憲法36条の残虐な刑罰には当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、所定の目的で爆発物を使用したとして爆発物取締罰則1条違反の罪に問われた。これに対し、被告人…