高裁判例を引用する判例違反の主張を排斥した事例
判旨
裁判所が検察官の訴因変更を許可するにあたり、憲法31条、32条に反するような手続上の違法があるかが争われたが、最高裁は原審の判断を妥当とし、上告を棄却した。
問題の所在(論点)
検察官による訴因変更請求を許可した裁判所の訴訟手続が、憲法31条(適正手続の保障)および32条(裁判を受ける権利)に違反するか、また、上告理由となる重大な判例違反が存在するか。
規範
訴因変更の要否および可否については、公訴事実の同一性(刑訴法312条1項)の範囲内であるか否かによって決せられる。また、裁判所が訴因変更を許可する手続において、被告人の防御権に実質的な不利益を及ぼさない限り、適正手続(憲法31条)や裁判を受ける権利(同32条)に反することはない。
重要事実
本件において、弁護人は原審が行った訴因変更の許可手続について、憲法31条、32条違反および判例違反(刑訴法405条)を主張して上告した。しかし、判決文からは変更前後の具体的な訴因の内容や、どのような事実関係に基づき変更が行われたかの詳細は不明である。
あてはめ
最高裁は、弁護人が主張する憲法違反について、その実質は「訴因変更を許可した原審の訴訟手続を論難する単なる法令違反の主張」にすぎないと判断した。また、引用された判例についても「事案を異にし、本件に適切でない」とし、既に確立された最高裁判例の趣旨に照らせば、上告理由(刑訴法405条)を構成しないと評価した。これにより、原審の手続に憲法上の問題や判例抵触はないものと解される。
結論
本件訴因変更許可手続に憲法違反や判例抵触は認められず、上告は棄却される。
事件番号: 昭和54(あ)305 / 裁判年月日: 昭和54年11月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】第一審の訴訟手続において弁護人の訴訟活動に対する不当な制約がない限り、憲法37条1項、3項、31条、32条に違反するとの主張は前提を欠き、上告理由にならない。 第1 事案の概要:被告人が第一審の訴訟手続に関して、弁護人の訴訟活動に不当な制約があったと主張し、それが憲法37条1項、3項、31条、32…
実務上の射程
具体的な事案の内容は不明であるが、訴因変更の許可という訴訟手続上の判断について、実質的に法令違反の主張に留まる場合は憲法違反の上告理由とはならないことを確認している。
事件番号: 昭和56(あ)1547 / 裁判年月日: 昭和57年2月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所は、下級裁判所の判決に憲法違反があることを上告理由とできることを前提としつつ、単なる事実誤認や法令違反の主張は適法な上告理由に当たらないと判示した。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が、原判決には憲法81条(違憲審査制)違反があるとして上告を申し立てた。しかし、その主張の具体的内容は、実…