検察庁法附則三六条の合憲性
検察庁法附則36条
判旨
上告趣意において憲法違反を主張する場合には、上告趣意書自体に違反の理由を具体的に明示する必要があり、記録中の他の書面を援用することは許されない。
問題の所在(論点)
上告趣意として憲法違反を主張する際、上告趣意書に具体的な理由を記載せず、訴訟記録上の他の書面を援用することが許されるか。刑事訴訟法における上告趣意の明示義務の程度が問題となる。
規範
上告趣意は、上告趣意書自体に明示することを要し、これに代えて記録中の他の書面等を援用することは許されない(刑事訴訟法405条1号、刑事訴訟規則253条等参照)。憲法違反を理由とする場合には、対象となる規定のいかなる部分がいかなる理由で憲法の条項に違反するかを具体的に指摘しなければならない。
重要事実
被告人の弁護人は、検察庁法附則36条が憲法31条に違反し無効である旨を主張して上告を申し立てた。しかし、当該上告趣意書において、同条のどの部分がどのような理由で憲法に違反するのかを具体的に説明せず、記録中の他の書面を援用するにとどまっていた。
あてはめ
本件において、弁護人の上告趣意は検察庁法附則36条の憲法違反を主張するものであるが、上告趣意書自体には具体的な違憲の理由の明示を欠いている。過去の判例(最高裁昭和25年10月12日決定)に照らせば、上告趣意は書面自体で完結している必要があり、他書面の援用による代替は認められない。したがって、適法な上告趣意の主張がなされたとはいえない。
結論
本件上告は不適法であり、棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における上告趣意書作成の実務上の形式要件を画するものである。答案上は、上告の適法性を論じる際、憲法違反や判例違反の主張が「具体的・明示的」になされているか、あるいは書面外の援用にとどまっていないかを判断する際の根拠となる。
事件番号: 昭和44(あ)994 / 裁判年月日: 昭和44年10月17日 / 結論: 棄却
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事件番号: 昭和47(あ)2561 / 裁判年月日: 昭和48年4月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告審において憲法違反を主張するためには、原則として原審においてその主張及び判断を経ていなければならない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件について上告を提起した際、弁護人が憲法38条(黙秘権・自白の強要禁止等)違反を主張した。しかし、当該主張は原審(控訴審)においてはなされておらず、原審の判断…