被告人らの政治活動の自由ないし表現の自由の弾圧を目的とした差別的訴追であるとは認められないとして憲法一四条、二一条違反の主張が「欠前提」とされた事例
憲法14条,憲法21条
判旨
検察官による公訴提起が、特定の政治活動や表現の自由を弾圧することを目的とした差別的な訴追であると認められない限り、公訴提起が憲法14条や21条に違反することはない。
問題の所在(論点)
検察官による公訴提起が、特定の政治的信条や表現活動を標的とした差別的な訴追に該当する場合、公訴権の濫用として憲法違反(14条、21条)を構成するか。
規範
公訴権の行使(刑訴法247条)は検察官の裁量に委ねられているが、それが憲法14条(法の下の平等)や憲法21条(表現の自由)に抵触し、特定の活動を弾圧する目的で差別的に行われた場合には、公訴権の濫用として違法となり得る。
重要事実
被告人らは、提起された公訴が自らの政治活動や表現の自由を不当に弾圧することを目的とした差別的なものであると主張し、憲法14条および21条違反を理由として上告した。具体的な被疑事実の内容や公訴提起に至る経緯については、判決文からは不明である。
あてはめ
記録に照らしても、本件における各公訴提起が被告人らの政治活動の自由ないし表現の自由を弾圧することを目的とした差別的な訴追であるという事実は認められない。したがって、差別的訴追を前提とする被告人側の憲法違反の主張は、その前提を欠いていると判断される。
結論
本件各公訴提起は差別的な訴追とは認められず、憲法14条および21条に違反しない。
実務上の射程
公訴権濫用論のうち「差別的訴追」の類型に関する先例である。答案上では、公訴権の行使が裁量逸脱となる限界を論じる際、単なる不平等ではなく「不当な目的(表現の弾圧等)」の有無を重視する判断枠組みの根拠として利用できる。ただし、本決定自体は事実認定の欠如を理由に棄却した簡潔なものである点に留意する。
事件番号: 昭和46(あ)1377 / 裁判年月日: 昭和46年9月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】道路交通法等の交通法規による規制は、道路における危険防止や交通の安全・円滑を図るための立法政策の問題であり、憲法13条により保障される国民の権利を侵害するものではない。 第1 事案の概要:被告人が交通法規の規定が憲法13条に違反し、国民の権利を侵害するものであると主張して上告した事案。判決文からは…