原審で主張、判断を経ていないとされた事例
憲法14条,憲法22条
判旨
憲法違反を理由とする上告において、原審で主張・判断を経ていない事由は適法な上告理由にならず、量刑不当の主張も刑訴法405条の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟における上告審において、原審で主張・判断されていない憲法違反の主張が適法な上告理由(刑訴法405条)として認められるか、また量刑不当の主張が上告理由となるかが問題となる。
規範
憲法14条、22条違反等の違憲主張であっても、原審において主張されず、かつ原審の判断を経ていない事項については、刑事訴訟法上の適法な上告理由とはならない。また、単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条各号に掲げられた上告理由に含まれない。
重要事実
被告人が憲法14条(法の下の平等)および憲法22条(居住、移転及び職業選択の自由)に違反する旨を主張して最高裁判所に上告した事案。しかし、これらの憲法違反の主張は、第一審および控訴審(原審)の段階では一度も争点として提出されておらず、原判決においてもそれらに対する判断はなされていなかった。併せて、被告人は量刑が不当である旨も主張していた。
あてはめ
本件における憲法14条および22条違反の主張は、記録によれば原審で主張・判断が経られていない。したがって、上告審で初めて提起されたものとして適法な上告理由にはあたらない。また、被告人が併せて主張する量刑の不当については、刑訴法405条が限定的に列挙する上告理由のいずれにも該当しない。さらに、刑訴法411条を適用して職権で判決を破棄すべき顕著な事由も認められない。
結論
本件上告は不適法または理由がないものとして棄却される。
実務上の射程
上告審の構造が事後審であることを示す。実務上、憲法違反を主張する際は、控訴審までに当該主張を提出しておく必要があり、未経由の主張は門前払いされるリスクがあることを留意すべきである。
事件番号: 昭和48(あ)2743 / 裁判年月日: 昭和49年2月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】原審において主張及び判断を経ていない事項に関する憲法違反の主張や、単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、原審(二審)において一度も主張されず、かつ原審の判断も受けていない事項について、憲法39条(一事不再理・遡及処罰の禁止)およ…
事件番号: 昭和47(あ)2281 / 裁判年月日: 昭和48年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由に当たらない憲法違反の主張や単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由を構成せず、職権調査によっても原判決を破棄すべき事由は認められない。 第1 事案の概要:被告人が憲法14条(法の下の平等)および32条(裁判を受ける権利)違反、ならびに量刑不当を理由として上告を申し立てた事案で…