少年保護処分決定に対する再審申立を許さないこと及び保護処分取消の申立権を認めないことの違憲をいう主張がもつぱら立法政策の問題であつて不適法とされた事例
判旨
少年保護処分の決定に対する再審申立てや保護処分取消しの申立権を認めるか否かは、専ら立法政策の問題であり、憲法違反の問題ではない。
問題の所在(論点)
少年法上の保護処分決定に対する救済手段として、再審申立てや保護処分取消しの申立権が法律上規定されていないことが、憲法に違反するか。
規範
少年保護処分に対する救済手続(再審申立てや取消申立権)の有無については、立法府の裁量に委ねられた立法政策の問題であり、憲法の直接的な要求する事項ではない。
重要事実
少年保護処分の決定を受けた者(抗告人)が、当該決定に対して再審申立てを許さないこと、および保護処分取消しの申立権を認めないことは憲法に違反する旨を主張し、特別抗告を行った。
あてはめ
少年保護処分の性質上、どのような救済手続を設けるかは多角的な検討を要する事項である。本件において、再審制度や独自の取消申立権が存しないことは、立法府が合理的な政策判断に基づいて決定すべき事項に属する。したがって、これらの制度の欠如を憲法適否の問題と捉えることはできず、違憲の主張は前提を欠く。
結論
少年保護処分に対する救済手続の欠如は憲法に違反せず、本件抗告を棄却する。
事件番号: 昭和55(し)42 / 裁判年月日: 昭和55年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年保護処分の決定およびその抗告棄却決定に対する再審申立ての可否は、憲法上の問題ではなく立法政策の問題であり、現行法上これを受理しないことは違憲ではない。 第1 事案の概要:少年保護処分(少年院送致等)の決定、およびそれに対する抗告を棄却した決定に対し、不服を申し立てる側が「再審申立て」を求めて抗…
実務上の射程
刑事訴訟法上の再審規定が少年保護処分に準用されないことの合憲性を基礎づける判例である。少年事件における適正手続や救済制度のあり方を論じる際、立法裁量の広さを説明する根拠として活用できる。なお、その後の法改正(平成12年改正等)により保護処分の取消し(少年法27条の2)などの制度が整備された点には留意が必要である。
事件番号: 平成6(し)94 / 裁判年月日: 平成6年9月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年法27条の2第1項に基づく保護処分の取消しは、保護処分が継続中である場合に限り許され、処分の終了後は、非行事実の不存在を理由とする取消しは認められない。 第1 事案の概要:本件において、抗告人は、保護処分の決定が確定した後にその処分の基礎とされた非行事実が存在しないことが明らかになったとして、…
事件番号: 昭和60(し)135 / 裁判年月日: 昭和61年1月9日 / 結論: 棄却
少年に対する保護処分の執行が終了した後においては、もはや少年法二七条の二第一項によりその保護処分を取り消す余地はないと解釈しても、憲法一三条、一四条、三二条に違反しない。
事件番号: 昭和30(し)39 / 裁判年月日: 昭和30年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する特別抗告は、少年法35条に規定する憲法違反または憲法解釈の誤りがある場合に限り認められる。本件では、抗告理由がこれら法定の事由に該当しないことが明らかであるため、抗告は理由がないとして棄却される。 第1 事案の概要:抗告人は、家庭裁判所の決定等に対して最高裁判所へ特別抗告を申し立…
事件番号: 昭和58(し)30 / 裁判年月日: 昭和58年9月5日 / 結論: その他
一 少年法二七条の二第一項にいう「本人に対し審判権がなかつたこと・・・・を認め得る明らかな資料を新たに発見したとき」とは、少年の年齢超過等が事後的に明らかにされた場合のみならず、非行事実がなかつたことを認めうる明らかな資料を新たに発見した場合を含む。 二 少年法二七条の二第一項は、保護処分の決定の確定したのちに処分の基…