少年保護処分の決定に対する抗告棄却決定に対し、再審申立を許さないのは違憲であるとの主張が欠前提(立法政策)とされた事例
少年法,刑訴法435条G項
判旨
少年保護処分の決定およびその抗告棄却決定に対する再審申立ての可否は、憲法上の問題ではなく立法政策の問題であり、現行法上これを受理しないことは違憲ではない。
問題の所在(論点)
少年法上の保護処分決定およびその抗告棄却決定に対して、再審の申立てを認めるべきか。また、これを認めないことが憲法に違反するか(少年法における再審規定の欠如と憲法適合性)。
規範
少年保護処分の決定やこれに対する抗告棄却決定に対し、再審の申立てを認めるか否かは、もっぱら立法政策の問題である。したがって、これらを許容する明文の規定がない以上、再審申立てを認めないことは憲法に違反するものではない。
重要事実
少年保護処分(少年院送致等)の決定、およびそれに対する抗告を棄却した決定に対し、不服を申し立てる側が「再審申立て」を求めて抗告した事案。抗告人は、再審を認めないことは違憲であると主張した。
あてはめ
少年法には、確定した保護処分決定に対する再審の規定が置かれていない。刑事訴訟法のような再審規定を少年保護手続に準用または類推適用すべきかについて、判例は、再審制度の構築自体を立法府の裁量に委ねる「立法政策の問題」と整理した。これにより、具体的規定がない現状において再審申立てを排斥することは、憲法が保障する適正手続等の諸規定に直ちに反するものとはいえないと判断される。
事件番号: 昭和55(し)64 / 裁判年月日: 昭和55年6月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】少年保護処分の決定に対する再審申立てや保護処分取消しの申立権を認めるか否かは、専ら立法政策の問題であり、憲法違反の問題ではない。 第1 事案の概要:少年保護処分の決定を受けた者(抗告人)が、当該決定に対して再審申立てを許さないこと、および保護処分取消しの申立権を認めないことは憲法に違反する旨を主張…
結論
少年保護処分決定等に対する再審申立ては認められない。これを認めないことは違憲ではない。
実務上の射程
少年法上の決定には刑事訴訟法のような再審規定がないことを確認する際に引用する。現在は少年法27条の2に「保護処分の継続中」の取消規定が新設されているが、確定後の再審制度一般については本判例の「立法政策論」が基礎となる。答案上は、救済手続の欠如が問題となる文脈で、憲法上の権利ではなく政策的判断であることを示すために用いる。
事件番号: 昭和60(し)3 / 裁判年月日: 昭和60年5月14日 / 結論: 棄却
少年法二三条二項による保護処分に付さない旨の決定に対しては、それが非行事実の認定を明示したものであつても、抗告をすることができない。
事件番号: 昭和62(し)45 / 裁判年月日: 平成2年10月17日 / 結論: 棄却
旧刑事訴訟法の下において有罪の確定判決を受けた事件に対する再審請求につき高裁がした決定に対し、刑訴応急措置法一八条により最高裁判所に申し立てられた特別抗告については、刑訴法四一一条三号は準用されない。
事件番号: 昭和45(し)89 / 裁判年月日: 昭和45年11月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑訴法433条に基づく特別抗告において、実質的に原決定の不当を主張するにとどまり、憲法違反の具体的根拠を示さないものは、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:申立人は、被疑者らに対する公務員職権濫用被疑事件について検察官がなした不起訴処分を不服として付審判請求を行った。第一審及び抗告審が…
事件番号: 昭和43(し)89 / 裁判年月日: 昭和43年11月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求において、刑訴法435条各号に該当する事由が認められない場合には、請求を棄却した原決定は正当であり、憲法32条違反等の主張は前提を欠く。 第1 事案の概要:抗告人は、確定判決に対して再審を申し立てたが、原決定により棄却された。これに対し、抗告人は、憲法31条(適正手続き)、32条(裁判を受…