上訴権回復請求及び異議申立を一つの決定で棄却した例
刑訴法362条,刑訴法363条,刑訴法428条
判旨
上訴権(異議申立権)の回復が認められるためには、申立人又は代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立てができなかったことが必要である。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法における上訴権(異議申立権)回復の要件である「自己又は代人の責に帰することができない事由」が認められるか。
規範
上訴(本件では異議申立て)の期間徒過後にその回復を求めるためには、当該期間を遵守できなかったことが「申立人又は代人の責に帰することができない事由」によるものでなければならない(刑事訴訟法362条、468条2項参照)。
重要事実
申立人は、異議申立期間内に申立てを行うことができなかったとして、上訴権(異議申立権)の回復を請求した。しかし、期間内に申立てができなかった具体的な原因については、本判決文の記載からは明らかではない(別紙書面に記載があるが、本文には詳細なし)。
あてはめ
本件における事実関係を検討するに、申立人が主張する事情は「申立人又は代人の責に帰することができない事由」には該当しない。したがって、期間内に申立てができなかったことについて申立人側に過失がなかったとは認められない。その結果、適法な期間内に異議申立てが行われたものとみなす前提条件を欠くこととなる。
事件番号: 昭和44(す)59 / 裁判年月日: 昭和44年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、期間経過後の異議申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間を経過した後に、異議申立権の回…
結論
本件回復請求は理由がないため棄却される。また、回復請求が認められない以上、本件異議申立ては期間経過後の不適法なものとして棄却を免れない。
実務上の射程
本決定は極めて短文であるが、上訴権回復の一般的要件を確認するものである。答案上は、期間徒過の理由が天災や郵送事故等の客観的事由、あるいは申立人が関与し得ない特段の事情(責に帰すべき事由の欠如)に当たるかを具体的事実から検討する際の基準として用いる。
事件番号: 昭和42(す)270 / 裁判年月日: 昭和42年9月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復の要件である「自己又は代人の責に帰することができない事由」とは、不服申立方法の誤信といった主観的な事情は含まれず、外部的な障害や不可抗力による期間の徒過を指す。 第1 事案の概要:被告人は詐欺被告事件の上告棄却決定を受けたが、異議申立期間を徒過した。被告人は、当該決定に対する不服申立方法…
事件番号: 平成4(す)14 / 裁判年月日: 平成4年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立期間を調査している間に期間が経過したことは、申立人又は代人の責に帰することができない事由には当たらないため、上訴権等の回復請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立てを行うにあたり、その申立期間について調査を行っていた。しかし、その調査に時間を要している間に、法定の異議申立…
事件番号: 昭和42(す)240 / 裁判年月日: 昭和42年9月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責に帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、回復請求および期間経過後の異議申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間が経過した後に、…
事件番号: 昭和37(し)34 / 裁判年月日: 昭和37年10月9日 / 結論: 棄却
一、原決定において、申立人が上告申立の手続を依頼したAは、刑訴三六二条所定の申立人の代人に該当するとしたのは相当である(後記註参照)。 二、刑訴規則第二二二条所定の判決結果の通知がなされなかつたという一事をもつては、上訴権回復請求の理由とならないことは当裁判所の判例(昭和二九年(し)第三号昭和二九年九月二一日第三小法廷…