異議申立権の回復請求が棄却された事例
刑訴法362条,刑訴法385条2項,刑訴法414条
判旨
異議申立期間を調査している間に期間が経過したことは、申立人又は代人の責に帰することができない事由には当たらないため、上訴権等の回復請求は認められない。
問題の所在(論点)
異議申立期間を調査していたために期間を経過した場合が、刑事訴訟法上の「申立人又は代人の責に帰することができない事由」による不変期間の徒過に該当するか。
規範
「自己又は代人の責に帰することができない事由」(刑事訴訟法362条等参照)とは、申立人が善良な管理者の注意を尽くしても、期間内に申立てを行うことが不可能であった客観的な事情を指し、申立人側の主観的な事情や不注意に基づく遅滞はこれに含まれない。
重要事実
申立人は、異議申立てを行うにあたり、その申立期間について調査を行っていた。しかし、その調査に時間を要している間に、法定の異議申立期間が経過してしまった。そのため、申立人は異議申立権の回復請求及び異議の申立てを行った。
あてはめ
申立人が異議申立期間を調べている間に期間が経過したという事情は、単なる申立人側の不手際または法令等の確認不足に過ぎない。このような事情は、申立人が注意を尽くせば容易に回避できたものであり、客観的に不可抗力といえるような事由ではない。したがって、「責に帰することができない事由」には当たらないと解される。
事件番号: 昭和44(す)59 / 裁判年月日: 昭和44年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、期間経過後の異議申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間を経過した後に、異議申立権の回…
結論
本件異議申立権の回復請求は理由がなく、これに伴う異議の申立ても期間経過後のものとして不適法であり、いずれも棄却される。
実務上の射程
本決定は、上訴権回復等の要件である「責に帰することができない事由」の解釈を示すものである。実務上、期間の教示ミス等の裁判所側の過誤がない限り、申立人側の法律知識の欠如や調査不足を理由とする回復請求は極めて厳格に否定されることを示唆しており、答案上も「不可抗力」に近い厳格なあてはめが求められる。
事件番号: 昭和27(し)21 / 裁判年月日: 昭和28年7月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴棄却決定に対する異議申立期間を徒過した場合であっても、自己等の責に帰すべからざる事由があるときは、上訴権回復の規定を準用して異議権の回復を請求できるが、その請求なしに単になされた異議申立は不適法である。 第1 事案の概要:抗告人は麻薬取締法違反で有罪判決を受け控訴したが、指定された期間内に控訴…
事件番号: 昭和42(す)240 / 裁判年月日: 昭和42年9月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責に帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、回復請求および期間経過後の異議申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間が経過した後に、…
事件番号: 昭和54(す)145 / 裁判年月日: 昭和54年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権(異議申立権)の回復が認められるためには、申立人又は代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立てができなかったことが必要である。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間内に申立てを行うことができなかったとして、上訴権(異議申立権)の回復を請求した。しかし、期間内に申立てがで…
事件番号: 昭和27(し)2 / 裁判年月日: 昭和27年10月31日 / 結論: 棄却
控訴審の弁護人として選任された弁護士は控訴申立に関しては刑訴三六二条にいわゆる被告人の代人と解すべきものである。