判旨
異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責に帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、回復請求および期間経過後の異議申立ては不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法上の異議申立権について、期間経過後の回復請求が認められるための要件である「自己の責に帰することができない事由」の存否が問題となった。
規範
上訴権や異議申立権の回復が認められるためには、申立人またはその代理人が、自己の責に帰することができない事由によって、定められた不服申立期間内にその申立てをすることができなかったという要件を満たさなければならない。
重要事実
申立人は、異議申立期間が経過した後に、異議申立権の回復請求および本案の異議申立てを行った。申立人は、期間内に申立てができなかったことについて、自己または代理人の責に帰すべからざる事由があると主張したが、具体的な具体的事実の詳細は本判決文からは不明である。
あてはめ
本件において、申立人が主張する事情を検討しても、申立人またはその代理人の責に帰することができない事由によって期間内に申立てができなかった場合にはあたらないと判断される。したがって、期間を遵守できなかったことについて帰責性が否定されるほどのやむを得ない事情は認められない。
結論
本件異議申立権の回復請求は理由がなく、これに伴う異議申立ても期間経過後になされた不適法なものとして、いずれも棄却される。
実務上の射程
刑事手続における不服申立期間の遵守は厳格に求められ、回復請求が認められるハードルは極めて高いことを示している。答案作成上は、単なる過失や懈怠がある場合には回復が認められないことを前提に、天災や刑事施設における遮断など、客観的に申立てが不可能な事情があるか否かを検討する際の指針となる。
事件番号: 昭和44(す)59 / 裁判年月日: 昭和44年4月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、期間経過後の異議申立は不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間を経過した後に、異議申立権の回…
事件番号: 昭和42(す)270 / 裁判年月日: 昭和42年9月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復の要件である「自己又は代人の責に帰することができない事由」とは、不服申立方法の誤信といった主観的な事情は含まれず、外部的な障害や不可抗力による期間の徒過を指す。 第1 事案の概要:被告人は詐欺被告事件の上告棄却決定を受けたが、異議申立期間を徒過した。被告人は、当該決定に対する不服申立方法…
事件番号: 昭和29(し)28 / 裁判年月日: 昭和29年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復請求を棄却した決定は、刑事訴訟法433条1項にいう「この法律により不服を申し立てることができない決定」には該当せず、特別抗告の対象とはならない。 第1 事案の概要:抗告人は、名古屋高等裁判所が昭和29年5月21日に行った上訴権回復請求を棄却する決定に対し、最高裁判所に特別抗告を申し立てた…
事件番号: 昭和27(し)28 / 裁判年月日: 昭和27年8月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権回復の要件である「自己又は代理人が責任を負うことのできない事由」とは、不注意等の過失がないことを指し、弁護人の不注意により控訴期間を徒過した場合はこれに当たらない。 第1 事案の概要:被告人Aに対する窃盗被告事件の第一審判決に対し、被告人本人またはその弁護人は、法定の控訴期間内に控訴の申し立…
事件番号: 平成4(す)14 / 裁判年月日: 平成4年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立期間を調査している間に期間が経過したことは、申立人又は代人の責に帰することができない事由には当たらないため、上訴権等の回復請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立てを行うにあたり、その申立期間について調査を行っていた。しかし、その調査に時間を要している間に、法定の異議申立…