判旨
異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、期間経過後の異議申立は不適法として棄却される。
問題の所在(論点)
異議申立期間を経過した後の申立について、刑事訴訟法等の規定に基づき「自己又は代理人が責任を負うことができない事由」(責めに帰することができない事由)が認められ、異議申立権の回復が許容されるか。
規範
上訴権(異議申立権)の回復請求が認められるためには、申立人またはその代理人が、その責めに帰することができない事由によって、法定の期間内に申立をすることができなかったことが必要である。ここでいう「責めに帰することができない事由」とは、通常人に期待し得る注意を尽くしてもなお避けることのできなかった障害を指す。
重要事実
申立人は、異議申立期間を経過した後に、異議申立権の回復請求および異議の申立を行った。申立人は、別紙書面(判決文上では詳細非公表)において、期間内に申立ができなかった理由を主張し、自身の責めに帰すべからざる事由の存在を訴えた。
あてはめ
本件において、申立人が主張する諸事情を検討しても、申立人またはその代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に異議申立ができなかった場合にはあたらないと判断される。すなわち、期間内に申立を行うことが客観的に不可能であった、あるいは通常人の注意義務を超えた障害があったとは認められない。
結論
異議申立権の回復請求は理由がないため棄却される。その結果、本件異議申立自体も期間経過後になされた不適法なものとして棄却を免れない。
実務上の射程
事件番号: 昭和54(す)145 / 裁判年月日: 昭和54年7月3日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上訴権(異議申立権)の回復が認められるためには、申立人又は代理人の責めに帰することができない事由によって期間内に申立てができなかったことが必要である。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間内に申立てを行うことができなかったとして、上訴権(異議申立権)の回復を請求した。しかし、期間内に申立てがで…
本決定は、期間徒過後の救済策である上訴権回復の要件を厳格に解する実務運用を確認するものである。答案作成上は、期間徒過の事実がある場合に、まず「責めに帰することができない事由」の存否を検討し、それが認められない限り門前払い(不適法却下・棄却)となる論理構成をとる際に参照すべき事例である。
事件番号: 昭和42(す)240 / 裁判年月日: 昭和42年9月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立権の回復が認められるためには、申立人または代理人の責に帰することができない事由によって期間内に申立ができなかったことが必要である。本件では、かかる事由が認められないため、回復請求および期間経過後の異議申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立期間が経過した後に、…
事件番号: 平成4(す)14 / 裁判年月日: 平成4年2月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】異議申立期間を調査している間に期間が経過したことは、申立人又は代人の責に帰することができない事由には当たらないため、上訴権等の回復請求は認められない。 第1 事案の概要:申立人は、異議申立てを行うにあたり、その申立期間について調査を行っていた。しかし、その調査に時間を要している間に、法定の異議申立…
事件番号: 昭和44(し)22 / 裁判年月日: 昭和44年10月1日 / 結論: その他
控訴審において被告人に公判期日(判決宣告期日を含む。)の通知をすることなく、被告人が出頭しないまま公判を開廷することは違法である。
事件番号: 昭和57(す)19 / 裁判年月日: 昭和57年4月7日 / 結論: 棄却
上告棄却決定に対する異議申立については、上訴権回復に関する規定の準用がある。