料理飲食等消費税の逋脱につき通告処分の対象とするほかに重加算金の徴収を定める地方税法の規定が憲法一四条に違反するという主張を欠前提で処理した事例
憲法14条,地方税法128条,地方税法139条,地方税法142条
判旨
地方税法上の重加算金は実質的にも刑罰には当たらず、通告処分の対象とするほかに重加算金を徴収するか否かは、立法政策の問題として立法府の裁量に委ねられる。
問題の所在(論点)
地方税法128条の規定に基づき、料理飲食等消費税の犯則事件について通告処分を行うとともに重加算金を徴収することが、実質的な二重処罰や不合理な差別として憲法14条に違反するか。
規範
行政上の制裁金である重加算金は、それ自体が実質的な刑罰としての性質を持つものではない。また、特定の犯則事件を通告処分の対象としつつ、併せて重加算金を徴収するか否かの制度設計は、立法府の広範な立法政策の問題に帰着し、憲法14条に反するか否かは著しく不合理でない限り立法府の裁量が尊重される。
重要事実
被告人は、料理飲食等消費税に関する犯則事件について、地方税法の規定に基づき通告処分の対象となり、かつ所定の重加算金を徴収されることとなった。被告人は、このような制度が刑罰に類する不利益を二重に課すものであり、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると主張して上告した。
あてはめ
本件における重加算金は、地方税法128条が定める行政上の制裁にすぎず、刑罰そのものではない。また、通告処分と重加算金の併用は、税の適正な徴収を確保するための行政上の政策手段として選択されたものであり、このような仕組みを採用するか否かは立法政策の合理的な裁量の範囲内にある。したがって、憲法14条が禁じる不合理な差別には該当しないと評価される。
結論
地方税法が通告処分のほかに重加算金を徴収することは憲法14条に違反しない。
実務上の射程
行政罰(過料)や行政上の制裁金(加算税・重加算金)と刑事罰の併科が、二重処罰の禁止(憲法39条)や法の下の平等(14条)に抵触するか否かが争われる場面で、両者の法的性質の違いを論証する際の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和52(あ)1222 / 裁判年月日: 昭和53年6月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】延滞税や加算税等の行政上の制裁と刑罰の併科は、憲法39条が禁止する二重の処罰には当たらない。 第1 事案の概要:上告人は、租税法違反等の罪に問われた刑事裁判において、既に延滞税、過少申告加算税、および重加算税を課されていることを理由に、さらに刑罰を科すことは憲法39条の二重処罰禁止の規定に違反する…