費用補償の請求が認容された事例
刑訴法188条の2,刑訴法188条の3,刑訴法188条の6
判旨
無罪の判決が確定した被告人に対し、刑事訴訟法に基づき、裁判に要した費用の補償として、弁護士報酬等を含む所定の金額を交付すべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法188条の2第1項の規定に基づき、無罪判決が確定した被告人に対する裁判費用の補償が認められるための要件と、その具体的金額の算定が問題となる。
規範
被告人が無罪の判決を受けたときは、刑事訴訟法188条の2第1項に基づき、国は被告人であった者に対し、その裁判に要した費用を補償しなければならない。補償の対象となる費用には、公判期日に出頭するのに要した旅費、日当、宿泊料、および弁護添人であった者に対する報酬が含まれる(刑事訴訟費用等に関する法律等参照)。
重要事実
請求人は、窃盗被告事件(最高裁判所昭和48年(あ)第1158号)において被告人として起訴されたが、昭和52年3月17日に最高裁判所から無罪の判決を言い渡され、同月29日に当該判決が確定した。これを受け、請求人の代理人弁護士より、被告事件の裁判に要した費用について費用補償の請求がなされた。
あてはめ
本件において、請求人は窃盗被告事件について無罪の判決を受け、かつ当該判決は既に確定している。したがって、費用補償の前提要件を充足する。算出にあたっては、別紙「費用補償額計算内訳書」に基づき、被告人であった者が実際に負担した、あるいは負担すべきであった合理的な範囲内の旅費・日当・宿泊料および弁護士報酬を合計すべきであり、その総額は16万2900円と認められる。
事件番号: 昭和53(ひ)1 / 裁判年月日: 昭和53年7月18日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】無罪判決が確定した被告人に対し、刑事訴訟法に基づき、裁判に要した費用の補償を認めた事案である。 第1 事案の概要:請求人は、猥せつ図画所持被告事件(最高裁昭和51年(あ)第783号)の被告人であったが、昭和52年12月22日に最高裁判所において無罪の判決を言い渡され、昭和53年1月4日に同判決が確…
結論
請求人に対し、刑事訴訟法上の費用補償として金16万2900円を交付する。
実務上の射程
本決定は、無罪判決確定後の費用補償手続における定型的な処理を示したものである。答案上は、冤罪被害の救済という観点から、被告人の出頭費用や弁護士費用を国が負担する根拠として本条を引用する際に参照される。ただし、本決定自体は計算内訳を示す性質が強く、法解釈上の論争点は少ない。
事件番号: 昭和58(ひ)1 / 裁判年月日: 昭和58年11月7日 / 結論: その他
併合罪として起訴された事実上、甲事実につき第一審において、乙事実につき控訴審において、丙事実につき上告審において順次無罪の判決があり、上告審が丙事実の裁判に要した費用を補償する場合において、甲、乙各事実についての無罪判決の各確定後刑訴法一八八条の三第二項所定の期間が経過しているときは、右各事実の裁判に要した費用の補償を…
事件番号: 昭和61(ひ)1 / 裁判年月日: 昭和61年4月2日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】無罪の確定判決を受けた者が請求できる費用補償の額は、証人等の旅費、日当、宿泊料の支給基準を参酌し、かつ弁護人の報酬については事案の性質や弁護活動の状況等を考慮して算定される。 第1 事案の概要:刑事被告事件において無罪の判決を受け、これが確定した請求人が、国に対して刑事訴訟法188条の2に基づき費…
事件番号: 昭和53(し)58 / 裁判年月日: 昭和53年7月18日 / 結論: 棄却
再審請求手続において要した費用は、刑訴法一八八条の二による補償の対象とはならない。
事件番号: 昭和30(ひ)2 / 裁判年月日: 昭和30年12月26日 / 結論: その他
最高裁判所大法廷において判決を言い渡した被告事件に関する上訴費用補償請求については、最高裁判所小法廷も刑訴第三七〇号第一項にいう「当該上訴裁判所であつた最高裁判所」にあたる。