費用補償の請求が認容された事例
刑訴法188条の2,刑訴法188条の3,刑訴法188条の6
判旨
無罪判決が確定した被告人に対し、刑事訴訟法に基づき、裁判に要した費用の補償を認めた事案である。
問題の所在(論点)
無罪判決が確定した被告人に対する、刑事訴訟法上の費用補償の可否およびその額の算定が問題となった。
規範
刑事訴訟法等に基づき、無罪の判決が確定したときは、被告人であった者に対し、その裁判に要した費用の補償(弁護士報酬、旅費、日当、宿泊料等)がなされるべきである。
重要事実
請求人は、猥せつ図画所持被告事件(最高裁昭和51年(あ)第783号)の被告人であったが、昭和52年12月22日に最高裁判所において無罪の判決を言い渡され、昭和53年1月4日に同判決が確定した。これを受け、代理人弁護士を通じて費用補償の請求を行った。
あてはめ
最高裁判所は、本件無罪判決の確定事実を確認した上で、請求人および検察官の意見を聴取した。その結果、別紙「費用補償額計算内訳書」に記載された計算に基づき、弁護士報酬等の裁判費用として金10万7,030円を交付することが適当であると判断した。
結論
請求人に対し、裁判に要した費用として10万7,030円を交付するとの決定を下した。
実務上の射程
本件は無罪確定後の費用補償手続の実例を示すものである。答案上は、無罪判決の効果として、刑事補償(身体拘束に対する補償)だけでなく、刑事訴訟法に基づく裁判費用の補償が認められることを指摘する際に参照される。
事件番号: 昭和33(も)1 / 裁判年月日: 昭和33年2月10日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】無罪判決が確定した者に対し、刑事補償法に基づき、逮捕・勾留による抑留および拘禁の日数に応じた補償金を交付すべきである。諸般の事情を勘案し、1日当たりの金額を算定して補償額を決定する。 第1 事案の概要:請求人は、昭和29年5月20日に銃砲刀剣類等所持取締令違反の現行犯として逮捕され、勾留を経て起訴…
事件番号: 昭和61(ひ)1 / 裁判年月日: 昭和61年4月2日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】無罪の確定判決を受けた者が請求できる費用補償の額は、証人等の旅費、日当、宿泊料の支給基準を参酌し、かつ弁護人の報酬については事案の性質や弁護活動の状況等を考慮して算定される。 第1 事案の概要:刑事被告事件において無罪の判決を受け、これが確定した請求人が、国に対して刑事訴訟法188条の2に基づき費…