最高裁判所大法廷において判決を言い渡した被告事件に関する上訴費用補償請求については、最高裁判所小法廷も刑訴第三七〇号第一項にいう「当該上訴裁判所であつた最高裁判所」にあたる。
刑訴第三七〇条第一項にいう「当該上訴裁判所であつた最高裁判所」の意義
刑訴法368条,刑訴法370条1項
判旨
刑事訴訟法に基づく費用補償の請求において、上訴審での弁護人報酬や旅費等の実費について、所定の計算に基づき補償を認める。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法188条の2に基づき、無罪判決を受けた者が請求できる「公判手続に要した費用」の具体的な補償額の算定根拠および範囲が問題となる。
規範
被告人であった者が無罪の判決を受けた場合において、刑事訴訟法188条の2第1項に基づき、国は、その裁判に要した費用のうち、弁護人であった者の報酬及び旅費、日当並びに宿泊料について、刑事訴訟費用等に関する法律の定める基準に従い補償する義務を負う。
重要事実
請求人(被告人)は、刑事事件において上訴審の結果、無罪の判決を得た。これに伴い、当該上訴審に要した弁護費用等の補償を求めて、最高裁判所に対して費用補償の請求を行ったものである。
あてはめ
事件番号: 昭和30(ひ)1 / 裁判年月日: 昭和33年5月31日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】検察官が上告を申し立てた後にこれを取り下げた場合において、被告人が上告審で支出した費用については、刑事訴訟法188条の2第1項等の趣旨に鑑み、被告人に補償されるべきである。 第1 事案の概要:請求人Aは昭和25年政令第325号違反被告事件について、一審または二審で無罪ないし有利な判決を受けたが、検…
本件において、最高裁判所は別紙の「上訴費用補償額計算内訳書」に基づき、弁護人の活動内容や旅費等の実費を精査した。その結果、合計額として2万2120円を交付すべき妥当な補償額であると認定した。
結論
請求人に対し、別紙内訳書記載の金2万2120円を交付する。
実務上の射程
本決定は、無罪判決確定後の費用補償手続における実務的な算定プロセスを示すものである。司法試験においては、刑事補償(憲法40条)と費用補償(刑訴法188条の2)の区別を前提とし、特に弁護士報酬が法定の範囲内に限定される点に注意して引用すべきである。
事件番号: 昭和38(ひ)2 / 裁判年月日: 昭和38年11月28日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】不法行為に基づく損害賠償請求において、被害者が支出した弁護士費用と当該不法行為との間に相当因果関係が認められる場合には、その費用を損害として賠償請求することができる。 第1 事案の概要:不法行為によって損害を被った被害者が、加害者に対して損害賠償を求める訴訟を提起した。その際、被害者は訴訟追行のた…