目的の不当性、手段の違法性、嫌疑の不十分等を理由として、捜索差押の違憲を主張とする諭旨が前提を欠くとされた事例
憲法35条,刑訴法433条
判旨
捜索差押の実施にあたり、その経過を明らかにする目的で行われる現場の写真撮影は、適法な捜査活動として認められる。
問題の所在(論点)
捜索差押の執行に際して、捜査機関が令状の執行経過を明らかにするために行う写真撮影の適法性が、憲法や刑事訴訟法上の観点から問題となる。
規範
捜索差押の実施に際し、当該処分の執行過程を記録し、その適法性や経過を後日に証明し得る状態に置くために行われる写真撮影は、捜索差押に伴う付随的処分として適法に認められる。
重要事実
軽犯罪法違反の嫌疑に基づく捜索差押令状の執行において、捜査機関がその執行経過を記録する目的で現場の状況を写真撮影した。これに対し、申立人らが当該撮影は憲法等に違反する違法なものであると主張して抗告した事案である。
あてはめ
本件における写真撮影は、捜索差押の経過を明らかにしておくためになされたものである。このような目的で行われる撮影は、強制処分である捜索差押の効果を確実なものとし、その執行過程の適正を担保するための合理的な範囲内の行為といえる。したがって、独立した強制処分としてではなく、令状に基づく捜索差押に付随する適法な行為として許容される。
事件番号: 平成2(し)9 / 裁判年月日: 平成2年6月27日 / 結論: 棄却
司法警察員が申立人方居室内で捜索差押をするに際し捜索差押許可状記載の「差し押えるべき物」に該当しない印鑑、ポケット・ティッシュペーパー等について写真を撮影した場合において、右の写真撮影は、「押収に関する処分」には当たらず、その撮影によって得られたネガ及び写真の廃棄又は申立人への引渡を求める準抗告は、不適法である。
結論
本件写真撮影は適法であり、憲法違反等の抗告理由は認められないため、抗告は棄却される。
実務上の射程
捜索差押の現場における写真撮影の適法性根拠として活用できる。答案上は、令状執行の「必要な処分」(刑訴法222条1項、111条1項)としての性格を持つ旨を明示し、撮影の目的が「執行経過の記録」という正当な範囲に留まっているかを検討する際の規範となる。
事件番号: 昭和51(し)132 / 裁判年月日: 昭和51年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】司法警察員が所持人の任意提出を求め、これを受けて提出された所持品を領置した行為は、本人の意に反する強制的な行為に及んだと認められない限り、憲法35条に違反しない。 第1 事案の概要:司法警察員が申立人に対し、その所持品の任意提出を求めた。申立人はこれに応じて所持品を提出し、司法警察員はこれを領置し…
事件番号: 昭和48(し)78 / 裁判年月日: 昭和48年10月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】抗告の理由として違憲を主張する場合であっても、理由についての具体的な主張を欠き、抗告期間内にその補充もなされないときは、適法な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:抗告人が本件抗告において憲法違反を主張したが、その理由についての具体的な主張を欠いていた。また、抗告期間内にその具体的な内容を補充…
事件番号: 昭和54(し)31 / 裁判年月日: 昭和54年4月3日 / 結論: 棄却
刑訴法四三〇条二項にいう「職務執行地」とは、不服のある処分の行われた地をいう。
事件番号: 昭和35(し)5 / 裁判年月日: 昭和35年2月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】請願権の行使を目的とする行為であっても、管理者の意思に反して国会構内に立ち入る行為は建造物侵入罪を構成し、正当な請願行為とは認められない。 第1 事案の概要:被疑者Aは、日米安全保障条約改定阻止を目的とする請願運動に際し、他の者と共謀の上、国会構内の管理者の意思に反して同構内に立ち入った。これに対…