特別抗告が違憲の具体的主張を欠き、その補充もないので、不適法であるとされた事例
刑訴法426条1項
判旨
抗告の理由として違憲を主張する場合であっても、理由についての具体的な主張を欠き、抗告期間内にその補充もなされないときは、適法な抗告理由にあたらない。
問題の所在(論点)
抗告の趣旨として違憲を主張する際、具体的な理由の記載がない場合に、刑事訴訟法上の適法な抗告理由として認められるか。
規範
抗告理由の適法性は、単なる形式的な主張の有無だけでなく、その理由についての具体的な主張が含まれているか、あるいは期間内にその補充がなされているかによって判断される。
重要事実
抗告人が本件抗告において憲法違反を主張したが、その理由についての具体的な主張を欠いていた。また、抗告期間内にその具体的な内容を補充することもなかった。
あてはめ
本件において、抗告人は違憲をいうものの、何をもって憲法違反とするかという具体的な主張を行っていない。さらに、抗告期間内における補充もなされていないため、審理の対象となる具体的な不服申立ての内容が特定されているとはいえない。
結論
事件番号: 昭和44(し)70 / 裁判年月日: 昭和44年10月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑法上の特別抗告(刑訴法433条)において、違憲主張が実質的な法令違反にすぎない場合や、判例違反の具体的摘示がない場合は、正当な抗告理由にあたらない。 第1 事案の概要:抗告人は、原決定に対し最高裁判所へ特別抗告を申し立てた。抗告の趣旨において憲法違反を主張したが、その内容は実質的に単なる法令違反…
本件抗告は適法な抗告理由を欠くため、棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における不服申立ての理由書作成において、単なる条文引用や抽象的な違憲主張では足りず、具体的理由の提示が必須であることを示す。答案上は、上訴申立ての適法性や、具体的理由の欠如による不適法却下の根拠として活用できる。
事件番号: 昭和51(し)132 / 裁判年月日: 昭和51年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】司法警察員が所持人の任意提出を求め、これを受けて提出された所持品を領置した行為は、本人の意に反する強制的な行為に及んだと認められない限り、憲法35条に違反しない。 第1 事案の概要:司法警察員が申立人に対し、その所持品の任意提出を求めた。申立人はこれに応じて所持品を提出し、司法警察員はこれを領置し…
事件番号: 昭和48(し)88 / 裁判年月日: 昭和48年10月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】準抗告棄却決定に対する不服申立てが不適法として棄却され、当該決定が既に確定している場合、これに対する特別抗告の申立ては不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、水戸地方裁判所土浦支部が昭和48年8月25日にした準抗告棄却決定に対し、不服申立てを行った。しかし、原決定においてその抗告申立てが不適法…
事件番号: 平成1(し)76 / 裁判年月日: 平成元年10月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】押収物の還付が既になされた場合、当該押収処分の取消しを求める準抗告は申立ての利益を欠き、裁判をする実益がないものとして棄却される。 第1 事案の概要:司法警察員は、被告発人(申立人代表者)から物件の任意提出を受けて押収し、また捜索差押許可状に基づき物件を押収した。申立人はこれらの押収処分の取消しを…
事件番号: 昭和48(し)64 / 裁判年月日: 昭和48年8月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官による逮捕状の発付は、裁判所による裁判ではなく裁判官による「裁判外の処分」に当たるが、これに対する準抗告(刑訴法429条1項)等の不服申立の道は法上存しない。 第1 事案の概要:申立人は、賍物収受被疑事件において簡易裁判所裁判官が発付した逮捕状に対し、準抗告を申し立てた。これを受けた原審(地…