妄想症(パラノイヤ)をもつ精神病質者による傷害等の犯行につき、心神耗弱の主張が排斥された事例
刑法39条1項
判旨
被告人および弁護人が主張する事実誤認、量刑不当、単なる法令違反は、いずれも刑訴法上の適法な上告理由にはあたらない。
問題の所在(論点)
被告人および弁護人が主張する事実誤認、量刑不当、および単なる法令違反という事由が、刑訴法405条等に定める適法な上告理由に該当するか。
規範
最高裁判所への上告理由(刑訴法405条等)は、憲法違反や判例違反等に限定されており、単なる事実誤認、量刑不当、または判例違反を伴わない単なる法令違反は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
被告人が、事実誤認および量刑不当を主張して上告を申し立て、また弁護人が、事実誤認および単なる法令違反を主張して上告趣意書等を提出した事案。
あてはめ
被告人の主張する事案の認定に係る「事実誤認」や刑の重さに関する「量刑不当」は、いずれも上告理由として法定された事項に含まれない。また、弁護人の主張する「単なる法令違反」も、判例違反等の特定の事由を伴わない限り、上告審での審理対象とはならない。したがって、本件の上告趣意はいずれも刑訴法414条、386条1項3号に基づき却下されるべき不適法なものであると判断される。
事件番号: 昭和25(れ)1614 / 裁判年月日: 昭和26年3月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が事実誤認または量刑不当の主張に帰する場合、法令の規定により適法な上告理由とは認められない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その趣意書の内容が事実の誤認および量刑の不当を主張するものであった事案。 第2 問題の所在(論点):事実誤認または量刑不当の主張が、刑訴応急措置法13条…
結論
本件上告は、適法な上告理由にあたらないため、棄却される。
実務上の射程
上告審の構造(事後審・法律審)を再確認するものであり、実務上、上告趣意書において事実誤認や量刑不当を主張する際には、それが憲法違反や判例違反に結びつくものであることを論理的に構成する必要があることを示唆している。
事件番号: 昭和48(あ)2712 / 裁判年月日: 昭和49年4月10日 / 結論: 棄却
上告趣意書に具体的な上告理由の記載がないときは、刑訴規則二四〇条に定める方式に違反し、不適法な上告であり、刑訴法三八六条一項二号、四一四条により棄却すべきものである。
事件番号: 昭和26(れ)630 / 裁判年月日: 昭和26年6月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告趣意が事実誤認または量刑不当の主張、あるいは原審の認定しない事実に基づいた批判にすぎない場合には、上告の適法な理由にならないことを示したものである。 第1 事案の概要:被告人側が原判決に対して上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は、原審の事実認定に誤りがあるとする主張や、量刑が不当で…