一 当審の未決勾留日数が刑期に満ちるまで算入された事例 二 当審未決勾留日数を刑期に満ちるまで算入したことに伴い、もはや裁判確定まで勾留を継続する必要がなくなつたとして勾留を取消した事例
刑法21条,刑訴法87条
判旨
上告理由が事実誤認、単なる法令違反、または量刑不当の主張に留まる場合は、刑訴法405条所定の上告理由に該当しないため、上告を棄却すべきである。
問題の所在(論点)
事実誤認、単なる法令違反、および量刑不当の主張が、刑訴法405条の上告理由に該当するか。
規範
刑訴法405条は上告理由を限定しており、憲法違反や判例相反がある場合にのみ認められる。したがって、事実誤認、単なる法令違反(憲法・判例違反を含まないもの)、量刑不当の主張は、いずれも適法な上告理由にはあたらない。
重要事実
弁護人および被告人本人が、原判決に対し事実誤認、単なる法令違反、および量刑不当を理由として上告を申し立てた事案である。
あてはめ
弁護人の主張は事実誤認、単なる法令違反、量刑不当であり、被告人本人の主張も事実誤認、量刑不当に留まる。これらは刑訴法405条が定める憲法違反や判例相反といった限定的な上告理由のいずれにも該当しないと判断される。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由にあたらないため、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟法上の上告審の構造(事後審・制限上告主義)を確認する際の基礎的な判断である。答案上は、特別の事情がない限り、事実誤認や量刑不当を理由に上告することはできない旨を簡潔に指摘する際に用いる。
事件番号: 昭和60(あ)992 / 裁判年月日: 昭和60年10月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条に規定された適法な上告理由には該当しない。 第1 事案の概要:被告人が刑事裁判の判決に対し上告を提起した。弁護人が提出した上告趣意書の内容は、原審の判決における量刑が重すぎる、あるいは妥当でないとする「量刑不当」の主張であった。 第2 問題の所在(論点):…