労働安全衛生規則六六七条二号八の意義が不明確である旨の憲法三一条違反の主張が欠前提とされた事例
憲法31条
判旨
労働安全衛生規則667条2号ハ(現行の575条1項等に関連)の規定は、憲法31条が要求する刑罰法規の明確性の原則に反するほど不明確なものとはいえない。
問題の所在(論点)
労働安全衛生規則の規定が、その意義の不明確さを理由に、適正手続を定める憲法31条に違反し無効となるか。
規範
刑罰法規が憲法31条の罪刑法定主義(明確性の原則)に違反するか否かは、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるかどうかの判断を可能ならしめる基準が読み取れるかによって判断される。
重要事実
被告人が労働安全衛生規則667条2号ハ(当時)の規定に違反したとして起訴された事案において、弁護人は同規定の意義が不明確であり、憲法31条に違反すると主張して上告した。なお、具体的な事案の内容や被告人の行為等の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
本件規定(労働安全衛生規則667条2号ハ)について検討するに、その文言や趣旨に照らせば、所論(弁護側の主張)のように、一般の理解においてその意義が不明確であるということはできない。したがって、法が許容する範囲を超えて不明確な基準を定めたものとは認められない。
結論
本件規定が憲法31条に違反するということはできず、上告は棄却される。
実務上の射程
行政法規を背景とする刑罰規定(行政刑法)における「明確性の原則」の判断基準を示す。答案上では、条文の文言が抽象的であっても、通常の理解力を持つ者を基準として判断可能であれば合憲とされるという「読み取り可能性」の枠組みを引用する際に活用できる。
事件番号: 昭和51(あ)550 / 裁判年月日: 昭和51年12月10日 / 結論: 棄却
し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は、労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれる。
事件番号: 昭和47(あ)1768 / 裁判年月日: 昭和48年1月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判官が公判手続において質問を行う際、それが私的知識に基づくと認められず、かつ偏見を持って審理に当たったものでない限り、憲法31条、32条に違反しない。また、特定の事情を単なる量刑上の情状として考慮することは、憲法14条の法の下の平等に反する不当な差別には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑…