使用者が労働基準法第六二条に違反して、多数日にわたり多数の年少または女子労働者を深夜業に使用した場合には、特段の事情ある場合を除き、その使用日毎に各就業者各個人別に独立して同条違反の罪が成立するものと解すべく、これらを包括して一罪が成立するものとなすべきではない。
労働基準法第六二条違反の罪の罪数。
労働基準法62条1項,労働基準法119条1号,刑法45条
判旨
上告理由が単なる法令違反の主張に留まる場合、刑事訴訟法405条の上告理由には当たらない。また、原判決の判断に不合理な点がない限り、同法411条1号による職権破棄の対象とはならない。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法405条所定の上告理由に当たらない「単なる法令違反」を主張する上告の適否、および刑事訴訟法411条1号を適用して職権で原判決を破棄すべき事由の有無が問題となった。
規範
刑事訴訟法405条に規定される上告理由(憲法違反、判例違反等)に該当しない単なる法令違反の主張は、適法な上告理由とは認められない。また、職権破棄(刑訴法411条1号)は、判決に影響を及ぼすべき法令の違反があって著しく正義に反すると認められる場合にのみ適用される。
重要事実
被告人の弁護人が上告を申し立てたが、その上告趣意の内容は単なる法令違反の主張に留まるものであった。原審の判断内容、および具体的な犯行態様等の事実関係については本決定文からは不明である。
あてはめ
弁護人の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらない単なる法令違反であると評価される。また、原判決の判示内容は正当であると認められ、特段、職権をもって原判決を破棄しなければ著しく正義に反するといえるような重大な法令違反の存在は認められない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
実務上、上告審は憲法問題や判例違反を審理する法律審であることを再確認する趣旨で引用される。答案上は、上告理由の適格性や、411条の職権破棄事由の存否を検討する際の極めて簡潔な参照例として位置づけられる。
事件番号: 昭和33(あ)1008 / 裁判年月日: 昭和36年6月21日 / 結論: 棄却
職業安定法第六三条第二号違反の罪は、各求職者ごとに成立し、職業犯のような集合犯ではないから、数名の求職者についての雇用関係の斡旋行為の成立時期を異にするときは、包括一罪をもつて問擬すべきものでなく、併合罪として処断すべきものであるとした原判示は正当である。
事件番号: 昭和33(あ)2254 / 裁判年月日: 昭和34年4月9日 / 結論: 棄却
米国人某から、同人方で、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う関税法当の臨時特例に関する法律第六条、第七条の適用を受けた関税および物品税の免除物品たる米国製テレビジヨン等を、所轄税関の許可を受けないで、秘かに譲り受け、関税および物品税の賦課決定を不能または著しく困難ならしめた場合には…