職業安定法第六三条第二号違反の罪は、各求職者ごとに成立し、職業犯のような集合犯ではないから、数名の求職者についての雇用関係の斡旋行為の成立時期を異にするときは、包括一罪をもつて問擬すべきものでなく、併合罪として処断すべきものであるとした原判示は正当である。
数名の求職者についての職業紹介(職業安定法第六三条第二号違反)は包括一罪か、併合罪か。
職業安定法63条2号,刑法45条
判旨
本判決は、弁護人の主張する判例違反や憲法違反が認められない場合、それらは単なる法令違反や量刑の不当を主張するものであり、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらないと判断した。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する事案の差異がある判例の引用や、憲法違反と称する主張が、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当するか。
規範
最高裁判所への上告が認められるためには、刑事訴訟法405条各号に掲げる理由(憲法違反、憲法解釈の誤り、または最高裁判所の判例との相反)が必要である。これらに該当しない法令違反の主張や、単なる量刑不当の主張は、適法な上告理由とはならない。
重要事実
被告人の弁護人が、原判決には判例違反および憲法違反があるとして上告を申し立てた。しかし、引用された判例は本件とは事案を異にするものであった。また、弁護人による量刑の不当を訴える主張も含まれていた。
事件番号: 昭和47(あ)824 / 裁判年月日: 昭和47年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意において憲法違反を主張する場合には、憲法の条項を明示する必要があり、また単なる量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが上告した事案において、被告人Aの弁護人は憲法違反を示唆する主張をしたが憲法条項の明示を欠いており、被告人Bの弁護人は単な…
あてはめ
弁護人が引用した判例は本件と事案を異にするため適切を欠いており、判例違反の主張は成立しない。その他の主張も実質的には単なる法令違反の主張に帰するものである。また、量刑に対する不満は同条の上告理由として規定されていない。したがって、いずれの論旨も刑訴法405条の要件を満たさない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、同法414条、386条1項3号により棄却される。
実務上の射程
司法試験の答案作成においては、上告理由の適格性(特に405条の限定列挙)を論じる際の基礎となる。事案の異なる判例を引用しても判例違反にはならないこと、単なる法令違反や量刑不当は上告理由として不適法であることを指摘する際に活用できる。
事件番号: 昭和46(あ)335 / 裁判年月日: 昭和50年2月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法28条違反をいう上告趣意について、その実質が単なる法令違反や事実誤認の主張にすぎない場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:弁護人は、被告人(氏名・属性は判決文からは不明)の行為に関し、憲法28条(労働基本権)違反を理由として上告を申し立てた。しかし、当該主張の内…