違憲の主張が憲法の条項の明示を欠き不適法とされた事例
判旨
上告趣意において憲法違反を主張する場合には、憲法の条項を明示する必要があり、また単なる量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
刑訴法405条の上告理由として、憲法の条項を明示しない憲法違反の主張や、単なる量刑不当の主張が認められるか。
規範
刑法訴訟法405条の上告理由として憲法違反を主張する場合には、具体的な憲法条項の明示を要する。また、量刑の不当は同条に定める適法な上告理由には含まれない。
重要事実
被告人AおよびBが上告した事案において、被告人Aの弁護人は憲法違反を示唆する主張をしたが憲法条項の明示を欠いており、被告人Bの弁護人は単なる量刑不当を主張した。
あてはめ
被告人Aの主張については、違憲をいうものと解されるものの、具体的な憲法の条項の明示を欠いているため適法な上告理由にあたらない。被告人Bの主張については、単なる量刑不当の主張にとどまり、同条が定める上告理由のいずれにも該当しない。
結論
本件各上告は、刑訴法405条の上告理由にあたらないため、棄却される。
事件番号: 昭和33(あ)1008 / 裁判年月日: 昭和36年6月21日 / 結論: 棄却
職業安定法第六三条第二号違反の罪は、各求職者ごとに成立し、職業犯のような集合犯ではないから、数名の求職者についての雇用関係の斡旋行為の成立時期を異にするときは、包括一罪をもつて問擬すべきものでなく、併合罪として処断すべきものであるとした原判示は正当である。
実務上の射程
刑事訴訟法上の上告理由の限定性を示す事例であり、答案上は上告の適法性を検討する際、形式的要件(条項の明示)や実質的要件(405条各号への該当性)の厳格な判断基準として引用できる。
事件番号: 昭和44(あ)2473 / 裁判年月日: 昭和45年4月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告趣意が実質的に事実誤認の主張にすぎない場合や、憲法違反を主張しながら具体的な憲法条項への抵触を示さない場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決に対して憲法違反を理由として上告を申し立てた。しかし、被告人の主張は実質的には事実誤認を訴える…
事件番号: 昭和47(あ)2281 / 裁判年月日: 昭和48年1月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由に当たらない憲法違反の主張や単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条の上告理由を構成せず、職権調査によっても原判決を破棄すべき事由は認められない。 第1 事案の概要:被告人が憲法14条(法の下の平等)および32条(裁判を受ける権利)違反、ならびに量刑不当を理由として上告を申し立てた事案で…