し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は、労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれる。
し尿処理施設に設置された活性汚泥槽は労働安全衛生規則五三三条の「転落することにより火傷、窒息等の危険を及ぼすおそれのある煮沸槽、ホツパー、ピツト等」に含まれるか
労働安全衛生法21条2項,労働安全衛生法27条1項,労働安全衛生法119条1号,労働安全衛生規則533条
判旨
労働安全衛生規則533条に規定される「煮沸槽、ホッパー、ピット等」には、転落することにより窒息等の危険を及ぼすおそれがある活性汚泥槽も含まれる。
問題の所在(論点)
労働安全衛生規則533条に規定される、囲い、手すり、覆い等を設けるべき対象である「煮沸槽、ホッパー、ピット等」に、活性汚泥槽が含まれるか。特に「等」の解釈の範囲が問題となる。
規範
労働安全衛生規則533条に規定される「煮沸槽、ホッパー、ピット等」という例示列挙は、物理的な形状や名称に限定されるものではなく、転落によって火傷、窒息等の重大な身体的危険を及ぼす客観的なおそれがある施設を包含する趣旨であると解される。
重要事実
本件における施設は活性汚泥槽であった。当該施設は、労働者が転落した場合に窒息等の重大な危険が生じる性質を有していたが、規則533条が直接名称を挙げている「煮沸槽、ホッパー、ピット」そのものではなかったため、同条の「等」に含まれるか否かが争点となった。
あてはめ
活性汚泥槽は、その性質上、人が転落した場合には窒息等の危険を及ぼすおそれがある施設である。このような危険性は、同条が例示する煮沸槽(火傷の危険)やホッパー、ピット(墜落・窒息等の危険)と同質かつ重大なものである。したがって、名称が「活性汚泥槽」であっても、危険の性質に鑑みれば同条の「等」に含まれると評価するのが相当である。
結論
活性汚泥槽は労働安全衛生規則533条にいう「煮沸槽、ホッパー、ピット等」に含まれる。したがって、安全措置を講じなかったことによる同法違反が成立する。
実務上の射程
行政法規や刑罰法規の解釈において、例示列挙に続く「等」の解釈を、列挙された事項と共通の「危険の性質」や「立法趣旨」に基づいて確定させる手法を示している。答案上は、罪刑法定主義(明確性の原則)に反しない範囲での類推ないし拡張解釈の限界を示す際に活用できる。
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