死刑事件(連続強盗殺人事件)
判旨
死刑の選択に際しては、犯行の動機、態様、残虐性、結果の重大性、社会的影響等の諸般の事情を慎重に考慮し、その刑責が極めて重大であると認められる場合には、死刑を選択することもやむを得ない。
問題の所在(論点)
死刑という極刑を選択するにあたり、どのような事情を考慮すべきか。死刑選択の判断基準が問題となる。
規範
死刑の適用を判断するにあたっては、以下の要素を総合的に考慮し、その刑責が極めて重大であると認められる場合に、死刑の選択が許容される。 1. 犯行の動機 2. 犯行の態様(特に手段・方法の残虐性) 3. 結果の重大性(殺害された被害者の数など) 4. 犯行の社会的影響 5. 被告人の諸事情(前科、反省の状況など)
重要事実
被告人は、一人暮らしの老人等を短期間に連続して襲撃した。犯行内容は、1件の強盗、1件の強盗未遂に加え、7件の強盗殺人罪を犯し、計8名を殺害したものである。その犯行手段・方法は極めて残虐であり、社会的影響も甚大であった。
あてはめ
本件では、被告人は短期間に連続して多数の老人を襲い、8名もの命を奪っており、結果が極めて重大である(結果の重大性)。また、犯行の手段・方法は残虐を極めており(態様・残虐性)、一人暮らしの老人を標的にした連続犯行が社会に与えた衝撃も大きい(社会的影響)。これらの事情を慎重に考慮すると、被告人の刑事責任は誠に重かつ大であるといえる。
結論
諸般の事情を考慮し、死刑に処した第一審判決を維持した原判決は、死刑の選択がやむを得ないものとして適法である。
実務上の射程
本判決は、いわゆる「永山基準」に先んじて死刑選択の考慮要素を示したものであり、現在の実務でも死刑適用の是非を論じる際の枠組みとして機能する。答案上は、罪刑均衡の観点から、犯情(客観的事情)を中心に、結果の重大性や残虐性を具体的事実に基づき評価する際に用いる。
事件番号: 昭和53(あ)1290 / 裁判年月日: 昭和63年6月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択については、犯行の性質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状などの諸事情を併せ考慮し、罪責が極めて重大であって、極刑がやむを得ないと認められる場合に許される。 第1 事案の概要:被告人は、約6年の間に、金欲しさから行きずりの売春婦や男娼を対…
事件番号: 平成8(あ)826 / 裁判年月日: 平成13年9月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】死刑の選択が許容されるか否かの判断においては、犯行の罪質、動機、態様、結果の重大性、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状等を総合的に考慮し、その罪責が誠に重大であって、極刑の選択がやむを得ないといえる場合に限られる。 第1 事案の概要:被告人は、交際相手への送金等の資金に窮し…