一、行政協定違反の主張であつて、刑訴法四〇五条にあたらないとされた例 二、憲法三七条三項違反の主張が欠前提とされた例
刑訴法405条,日米行政協定17条2,憲法37条3項
判旨
被告人の弁護人選任権の侵害が争われた事案において、第一審裁判所の手続が不当に弁護人選任権を侵害したとは認められない場合には、憲法37条3項違反の主張は前提を欠く。
問題の所在(論点)
第一審裁判所における手続が、憲法37条3項の保障する被告人の弁護人選任権を不当に侵害したといえるか。
規範
憲法37条3項が保障する弁護人依頼権は、被告人が自らの意思で弁護人を選任する機会を確保することを主眼とする。裁判所の手続がこの権利を不当に制限・侵害したと認められない限り、同条項違反の問題は生じない。
重要事実
被告人が、第一審裁判所による手続において自らの弁護人選任権が不当に侵害されたと主張し、憲法37条3項違反を理由として上告を申し立てた事案である。事案の具体的な背景(罪状や具体的な選任プロセスの詳細)については判決文からは不明。
あてはめ
記録に照らせば、第一審裁判所が被告人の弁護人選任権を不当に侵害したものとは認められない。したがって、弁護人が主張する憲法37条3項違反という憲法問題は、侵害の事実という前提を欠いていると判断される。
結論
被告人の弁護人選任権を不当に侵害したものとは認められないため、憲法37条3項違反にはあたらない。
実務上の射程
憲法37条3項違反を主張する際、裁判所が選任の機会を実質的に奪ったといえるかどうかの事実認定が先行することを明示している。答案上は、弁護人不在のまま手続が進められた際の違憲性を論じる際、権利行使の機会が適切に与えられていたかを検討する指標となる。
事件番号: 昭和50(あ)271 / 裁判年月日: 昭和50年10月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が国選弁護人の辞任申出を却下したとしても、弁護活動が不十分であったと認められない限り、憲法37条3項に違反しない。 第1 事案の概要:被告人の第一審公判において、国選弁護人が辞任の申出を行ったが、裁判所はこれを容れなかった。また、被告人側は本件と他事件との併合審理を要求したが、これも認められ…