刑訴法二六二条一項の付審判請求は、請求書が同条二項に定める七日の期間内に検察官に到達したときに効力を生ずる。
刑訴法二六二条一項の付審判請求の効力発生時
刑訴法262条
判旨
刑事訴訟法262条1項の付審判請求の効力は、請求書が同条2項に定める7日の不変期間内に検察官に到達したときに発生する。付審判請求の手続においても、発信主義ではなく到達主義が採用されるべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法262条2項が定める付審判請求の期間(7日)の遵守について、請求書の発信時と到達時のいずれを基準に判断すべきか。
規範
刑事訴訟法262条1項に基づく付審判請求は、請求書が同条2項に定める7日の期間内に検察官に到達したときに、その効力を生ずるものと解すべきである。
重要事実
抗告人は、刑事訴訟法262条1項に基づき付審判請求を行ったが、その請求書が同条2項に規定された「(告訴または告発をした者は、検察官の通知を受けた日から)7日」の期間内に検察官に到達していなかったとされる事案である(具体的な送付・到達の日時等の詳細は判決文からは不明)。
あてはめ
事件番号: 昭和44(し)75 / 裁判年月日: 昭和44年11月17日 / 結論: 棄却
刑訴法二六二条の付審判請求は、同条に定める七日の期間内に、請求書が検察官に到達したときに効力を生ずる。
付審判請求は公訴提起に代わる重大な手続であるところ、刑事訴訟法262条2項は請求期間を「7日以内」と厳格に定めている。本件において、請求書の効力発生時期を検討すると、特段の規定がない限り、公法上の手続においても意思表示や届出の一般的原則である到達主義によるべきである。したがって、期間内に請求書が検察官に「到達」したことが必要であり、期間経過後の到達は期間の徒過となる。本件の請求書は期間内に検察官に到達していなかったため、当該請求は不適法であるといえる。
結論
付審判請求書が法定の7日以内に検察官に到達していない場合、当該請求は期間徒過により不適法となる。
実務上の射程
付審判請求期間(不変期間)の計算および遵守の判断基準を明示したものである。実務上、郵便事情による遅延は救済されないため、期間内に確実に検察官の手元に届く必要があることを示す。答案上は、付審判請求の適法性を論ずる際、到達主義を前提とした期間計算を行うための論拠として活用する。
事件番号: 昭和45(し)99 / 裁判年月日: 昭和45年12月17日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】付審判請求事件の申立棄却決定に対する特別抗告において、在監者が抗告期間内に申立書を監獄の長等に差し出したとしても、刑事訴訟法366条1項のいわゆる在監者特則は準用ないし類推適用されない。 第1 事案の概要:付審判請求を行った申立人は、その請求を棄却する決定を受けたため、特別抗告を申し立てようとした…
事件番号: 昭和48(し)10 / 裁判年月日: 昭和48年3月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の提起は、法律の定める提起期間内に正当な権限を有する原裁判所に申立書を差し出す必要があり、誤って管轄外の裁判所に差し出された場合は、期間内に原裁判所に到達しない限り不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は、昭和48年1月29日に札幌高等裁判所の原決定謄本の送達を受けた。特別抗告の提起期限…
事件番号: 昭和54(し)88 / 裁判年月日: 昭和54年9月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】在監者が付審判請求事件の決定に対して特別抗告を申し立てる場合、刑事訴訟法366条1項(特則としての在監者主義)は準用ないし類推適用されない。したがって、抗告期間内に申立書を監獄官吏に提出しても、期間内に裁判所に受理されなければ申立ては不適法となる。 第1 事案の概要:申立人は、付審判請求事件の決定…
事件番号: 昭和43(し)85 / 裁判年月日: 昭和43年11月13日 / 結論: 棄却
在監者の上訴申立に関する刑訴法第三六六条第一項は、いわゆる審判請求事件についてされた抗告棄却の決定に対し、右請求をした在監者が特別抗告の申立書を差し出す場合には準用ないし類推適用されないものと解すべきである。