本件記録中の起訴状、公判調書等の資料によれば、本件は、昭和四三年一月二四日に公訴の提起があり、同年四月一五日に第一審の判決宣告があつたことが明瞭であるから、第一審の判決書に作成日付として「昭和四二年四月一五日」とあるのは「昭和四三年四月一五日」の誤記と認められる。
判決書の作成日付が誤記と認められた事例
刑訴規則53条,刑訴規則58条1項
判旨
判決書に作成日付の誤記がある場合であっても、公訴提起日や公判調書等の記録から真実の作成日付が明瞭であるときは、当該誤記は判決の効力に影響を及ぼさない。
問題の所在(論点)
判決書に記載された作成日付が、実際の公訴提起日より前の日付となっているような明らかな誤記がある場合、当該判決は違法として破棄されるべきか。
規範
判決書の作成日付に明らかな誤記がある場合、記録上の他の資料(起訴状、公判調書等)に照らして真実の作成日付を認めるのが相当であるときは、その誤記を理由として直ちに判決を無効としたり、違法なものとして破棄したりすることはできない。
重要事実
被告人に対し、昭和43年1月24日に公訴が提起され、同年4月15日に第一審の判決宣告がなされた。しかし、第一審の判決書には作成日付として「昭和42年4月15日」と記載されていた。これは公訴提起日よりも前の日付であり、客観的な時系列と矛盾するものであった。
事件番号: 昭和29(あ)2079 / 裁判年月日: 昭和33年2月21日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】被告人の検察官面前における自白が存在しても、犯行の前提となる特殊な事情を知り得た経緯や目撃証言の不確実性、盗取金の使途が不明であるなどの点に照らし、自白の真実性に疑いがある場合は、事実誤認を理由に原判決を破棄すべきである。 第1 事案の概要:被告人が、通常とは異なり支給日が繰り上げられた中学校教職…
あてはめ
本件記録中の起訴状や第一回ないし第四回までの各公判調書等の資料によれば、昭和43年1月24日の公訴提起後に公判審理が行われ、同年4月15日に判決が宣告された事実は明瞭である。したがって、判決書にある「昭和42年」という記載は、単純な「昭和43年」の誤記であると認められる。このような明らかな誤記は判決の本質的な部分を左右するものではない。
結論
第一審判決の作成日付の誤記は、判決の効力に影響を及ぼすような違法とはいえず、上告を棄却するのが相当である。
実務上の射程
裁判書類の形式的記載事項に明白な誤りがある場合、記録全体からその正誤が客観的に判断可能であれば、刑事訴訟法411条の破棄事由には当たらないとする。実務上は、更正決定等の対象となり得る軽微な瑕疵の処理方針を示すものといえる。
事件番号: 昭和27(れ)154 / 裁判年月日: 昭和29年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】公判調書における開廷日の記載に誤りがある場合であっても、他の記録から当該記載が明白な誤記であると認められるときは、これを理由に訴訟手続の違法を主張することはできない。 第1 事案の概要:原審の第7回公判調書において、開廷の日が「4月5日」と記載されていた。しかし、同調書の作成日は4月10日であり、…