判旨
労働基準法121条1項(現在の121条)の適用において、法人の代表者等による違反行為があった場合、当該事業を実質的に経営する主体が同条の「事業主」に当たるとされる。原審が認定した事実関係の下では、被告人を同条の事業主と認めた判断は正当である。
問題の所在(論点)
法人の業務に関して労働基準法違反があった場合、どのような場合に当該個人が労働基準法121条(両罰規定)における「事業主」として処罰の対象となるか。
規範
労働基準法121条における「事業主」とは、その事業の経営主体を指す。法人の代表者、代理人、使用人その他の従業員がその法人の業務に関して違反行為をした場合において、当該法人の運営を実質的に支配し、経営の利益が帰属する主体は、同条の「事業主」としての責任を負うべきものと解される。
重要事実
被告人が労働基準法違反の罪で問われた事案において、原審は特定の事実関係(詳細は本判決文からは不明)に基づき、被告人を同法121条にいう「事業主」に該当すると認定した。これに対し、弁護側は事実誤認および法令違反を理由に上告を申し立てた。
あてはめ
最高裁判所は、原審が認定した事実関係を前提とすれば、被告人が労働基準法121条の事業主に当たるとした判断は正当であると認めた。具体的な事実関係の詳細は本判決文からは不明であるが、原審が認定した被告人の立場や権限、事業への関与度合いといった実態に即して、事業主性の有無を判断したものと評価される。
結論
被告人を労働基準法121条の「事業主」に当たるとした原審の判断は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
本判決は、労基法上の両罰規定の適用対象となる「事業主」の概念を実質的に捉える立場を示唆している。実務上、法人の形式的な役職名にとらわれず、実質的な経営主体の判断を重視する際の根拠となり得る。
事件番号: 昭和25(れ)1572 / 裁判年月日: 昭和26年2月27日 / 結論: 棄却
労働安全衛生規則第一二四条は、労働基準法第四二条に定められている使用者が機械、器具その他の設備による危害を防止するために講じなければならない必要な措置の具体的内容を明らかにするために同法第四五条の委任により定められた命令であつて、同法第四六条第三項の委任による命令ではないこと所論のとおりである。従つて、規則第一二四条に…