弁護人の上告趣意は、憲法第一四条第一項違反をいうけれども、自転車競技法第一八条第二号は同号に規定する行為を何人に対しても禁止し、これに違反した者を無差別に処罰するのであるから、所論違憲の主張はその前提を欠く。
自転車競技法第一八条第二号は憲法第一四条第一項に違反するか
自転車競技法18条2号,憲法14条1項
判旨
自転車競技法18条2号が特定の行為を何人に対しても禁止し、違反者を無差別に処罰する規定である以上、憲法14条1項の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
自転車競技法18条2号(現行法56条等に相当する禁止規定)による処罰が、憲法14条1項の法の下の平等に反し違憲ではないか。
規範
法の下の平等を定める憲法14条1項との適合性は、当該法条が特定の行為を何人に対しても一律に禁止し、違反者に対して無差別に罰則を適用する形式をとっているか否かによって判断される。
重要事実
被告人は自転車競技法18条2号違反の罪に問われた。これに対し、同条項の規定が法の下の平等を保障する憲法14条1項に違反するものであると主張し、上告した事案である。
あてはめ
事件番号: 昭和48(あ)1086 / 裁判年月日: 昭和48年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】競馬法および自転車競技法の禁止規定は、対象となる行為を何人に対しても禁止し、違反者を一律無差別に処罰するものであるから、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が、競馬法30条3号および自転車競技法18条2号の各規定に違反する行為を行ったとして処罰された。これに対し、…
自転車競技法18条2号は、同号に規定する禁止行為を「何人に対しても」一律に禁止している。また、その違反者に対しては、特定の身分や属性を問わず「無差別に処罰する」こととしている。したがって、特定の者に対してのみ差別的な取扱いを強いるものではないといえる。
結論
自転車競技法18条2号は憲法14条1項に違反しない。
実務上の射程
形式上、何人に対しても等しく適用される罰則規定であれば、それだけで平等原則違反の主張は前提を欠くと判断される傾向を示す。実質的な差別(合理的根拠の有無)に踏み込むまでもない明白な事案における、裁判所の簡潔な判断枠組みとして参照される。
事件番号: 昭和33(あ)681 / 裁判年月日: 昭和36年5月26日 / 結論: 棄却
所論は、自転車競技法第一八条第二項の処罰規定は、憲法第二五条第二項に違反するものであるから、これに基づき処罰することは違憲であると主張する。しかし、憲法第二五条の法意は、国がすべての生活部面について社会福祉、社会保障の向上及び増進のための公共的配慮をなすべき責務のあることを宣言したにとどまり、個々の国民に対し、これに対…